2023年度の富山県の負債総額1,000万円以上の企業倒産は79件発生し、負債総額は87億3300万円で前年度と比べ16件増え、4期ぶりに増加しました。負債総額も前年度と比較して12億1100万円で、2期ぶりの増加となったことが、東京商工リサーチの調べでわかりました。

東京商工リサーチによりますと、産業別の倒産状況では「建設業」で22件発生し、全業種中最多となったほか、資材価格の高騰や人手不足の影響で、12か月間のうちで6度にわたって月内での倒産最多件数を記録しました。

業歴別では「30年以上」の老舗倒産は36件発生し、倒産件数全体で45.5%を占めました。「老舗」企業は事業基盤を確立し、金融機関との関係も密接であるが、過去の成功体験にしばられ、急激な外部環境への対応力が乏しい傾向があるとしています。

老舗企業倒産の背景

さらに代表者が高齢の場合、生産性向上への投資に消極的な企業が多く、事業承継や後継者問題など後手になりやすい。今後、このような背景から倒産だけでなく、休廃業を選ぶ企業もケースも増加するとみられます。

また、倒産件数79件のうち「新型コロナ」関連倒産は29件発生し36.7%を占め、倒産集計の対象外となる負債1000万円未満を含めると、累計100件と三桁台に達し、北陸三県で最も多くなりました。

TUT

コロナ禍の後遺症に苦しむ企業

コロナ禍前から業績が厳しく、コロナ関連支援で資金繰りを維持したものの、支援の縮小や終了で窮状が顕在化したものとみられます。

東京商工リサーチは、2024年4月に民間金融機関のゼロゼロ融資の返済が最後のピークを迎えるものの業績が回復していない企業は、コロナ禍の後遺症に苦しむ企業が多く、中小零細企業を中心に企業倒産は増加すると分析しています。