病院や診療所、歯科医院など「医療機関の休廃業・解散」が2023年度は709件の過去最多であったことが帝国データバンクのまとめでわかりました。709件は医療機関の倒産の12.9倍、10年前の2.3倍で、帝国データバンクは、高齢化が進むなか、地域の「診療所」が今後も姿を消していくだろうと指摘しています。

帝国データバンクによりますと、2023年度の病院や診療所、歯科医院など医療機関の休廃業・解散の件数は前の年度より37.1パーセント増え、709件の過去最多となりました。

業態別では「病院」が19件、「診療所」が580件、「歯科医院」が110件となっています。

また、2023年度の「医療機関の倒産」は55件で過去最多です。業態別では「病院」が3件、「診療所」が28件、「歯科医院」が24件です。

休廃業・解散件数は、倒産件数の12.9倍にあたり、特に「診療所」は20.7倍と突出しています。

出典:帝国データバンク

厚生労働省のデータによりますと、2024年1月時点の医療機関の施設数は「病院」が8115施設、「診療所」が10万5304施設、「歯科医院」が6万6886施設となっています。

なかでも「診療所」はコンビニ全店の2倍近くもあり、医療機関とはいえ人口減少のなかで競争は熾烈だといいます。

また、日本医師会の2020年1月の「医業承継実態調査」によりますと「現段階で後継者候補が存在しない」が50.8パーセント、「後継者候補はいるが、意思確認していない」が27.7パーセントを占め、医療機関の過半数で後継者候補が存在しない状態です。

TUT

帝国データバンクは、一定期間を経て、代表の高齢化と後継者不在を理由に医療事業の継続を断念する診療所は増える可能性が高く、国内の高齢化が深刻になるなかで「診療所」が相次いで姿を消していくことになるだろうとみています。