岡山県の観光農園経営会社「西山ファーム」を巡る巨額投資詐欺事件で、逃亡先のインドネシアで身柄を拘束されていた元副社長の男が愛知県警に逮捕されました。

髪を肩までのばし、捜査員と共に歩く男。全国から約133億円を集めた巨額投資詐欺事件の首謀者とされる西山ファームの実質的経営者で、元副社長の山崎裕輔容疑者です。13日未明、逃亡先のインドネシアから日本へと向かう航空機内で、日本の領空内に入ったところを、愛知県警に逮捕されました。

詐欺の舞台となった西山ファーム(当時)

岡山県で観光農園などを運営していた西山ファームを巡る巨額投資詐欺事件。クレジットカードで果物などを購入すると、配当を上乗せして代金を返金する”などとうその説明をし、客から金をだまし取ったとして、2021年10月に当時の幹部ら5人が逮捕されました。

実質的経営者だった山崎容疑者は当時の幹部ら5人と共謀し、横浜市に住む当時30歳の女性から約800万円をだまし取ったとして2021年10月に逮捕状が出され、その後、国際手配されていました。

インドネシアのブラン島で身柄確保

山崎裕輔容疑者

事態が急展開したのが、2024年1月31日。場所は日本から約5800キロ離れた、インドネシアでした。インドネシアの西部ブラン島からボートで出稼ぎ労働者と共にマレーシアに不法入国しようとしたところを、パトロール中の現地警察に発見され、確保。その後、インドネシア当局に身柄を拘束されました。インドネシア当局によると山崎容疑者は確保された際に「タナカ・ハジメ」を名乗り、出身地や生年月日も偽っていたということです。

記者:
「インドネシアに入国後どのように生活していた?」

山崎容疑者:
「何もしてないです。家にいました」

記者:
「何か仕事はしていた?」

山崎容疑者:
「していないです」

記者の問いかけに対し、山崎容疑者は、逃亡期間中「仕事をせず、家にいた」と話しました。 

しかし、インドネシア当局は12日会見を開き、山崎容疑者が2021年4月に入国し、7月から約1年間ジャカルタ近郊の鉄筋製造会社で働いていたことを明かしました。

愛知県警は11日、現地に捜査員を派遣。当局から山崎容疑者の身柄の引き渡しを受け、12日夜、航空機でインドネシアのジャカルタを出発し、13日午前4時17分に日本の領空内に入ったところで逮捕しました。

警察は山崎容疑者の認否を明らかにしていません。山崎容疑者は逃亡期間中、どのように生活していたのか。全国900人以上から集めたとされる金の流れなど愛知県警が事件の全容解明に向け、捜査を進めています。