今年のお花見では、1兆円を上回る経済効果が見込まれるという試算が出ています。特に観光地ではホテルの宿泊料金が3年前の約2.5倍にまで跳ね上がっています。

■“3年で2.5倍”ホテル代高騰

 各地で満開を迎えている桜。新型コロナウイルスが5類に移行してから初めての花見シーズンということもあり、多くの外国人観光客も訪れていて、観光地はにぎわいを見せています。

オーストラリアから来た観光客
「とても美しいわ。すごく素敵!日本に到着した時にはまだ咲いていなかったんだけど、待っていたらついに開花を見ることができました」

中国から来た観光客
「(Q.なぜ、ケーキを持っているんですか?)きょうが誕生日なんです。桜がとても美しいから。だから日本、東京で誕生日を祝おうと思いました」

 こうしたインバウンド消費にも期待が高まっていて、花見の経済効果は今年初めて1兆円を超えるという試算もあります。

 一方、ホテルの価格も急上昇しています。メトロエンジンによりますと、桜満開日のホテル平均価格はコロナ禍の3年前と比べ、東京や京都で約2.5倍に上昇しているといいます。

メトロエンジン 田中良介社長
「この時期に関してはビジネスホテルに限らず、ラグジュアリー系のホテルに関しては15万円から30万円と、数年前には見られなかったような価格帯での販売が当たり前になってきている」

 価格急上昇の背景には円安以外にもホテルならではの事情があるといいます。

メトロエンジン 田中良介社長
「人手不足ということで、人件費を上げないと人が雇えない、ホテルを満室にできない。そういう状況があるので、コストの側面から価格が上がっている」

 コロナ禍以降、ホテルの人手不足は解消しておらず、満室で稼働することができないといいます。そのため、多くのホテルでは「稼働率」よりも「客室単価」を重視した販売戦略に切り替えているのだといいます。

 森のような庭園に囲まれ、四季折々の美しい季節を楽しめるホテル椿山荘東京。

 現在、雲海も演出されていて桜とのコラボを楽しむことができます。夜にはライトアップされ、幻想的な景色に…。こちらでも平均客室単価は1.4倍に上昇したといいます。

ホテル椿山荘東京 マーケティング部 武村美紀さん
「こちらが今の時期限定のロクシタン(コスメティックブランド)のコラボレーションルーム『ビューバススイート』です」

 この時期、バスタブからは桜と三重塔のコラボも眺めることができ、人気の部屋だといいます。気になるのは価格ですが…。

ホテル椿山荘東京 マーケティング部 武村美紀さん
「こちらの部屋のタイプが27万5700円からとなっております」

 こちらの部屋は3年前の同時期では19万5000円でしたが、今年は27万5700円に値上げ。それでも、ほぼ予約で埋まっている状態だといいます。

ホテル椿山荘東京 マーケティング部 武村美紀さん
「(Q.どういった方が泊まられますか?)若い方ですとか、お母様とお嬢様ですとか、そういった方のご利用もございます。桜の時期だけのプランであるので、この時期まさに桜が満開を迎えてから3月末から4月の頭が好評いただいております」

花見客
「(Q.1泊27万円だが泊まってみたいと思う?)いや、無理ですね。そりゃ無理だわ」
「泊まってみたいと思います。桜とかこの季節、そしてこの椿山荘。風情があるところで1泊家族と過ごすというのは、すごくいい時間だと思います」

 専門家によりますと、大幅な円高にならない限りホテルの宿泊代は今後も上昇していく可能性が高いということです。