歌手で俳優の佐川満男(さがわ・みつお)さんが12日、胆のう炎のため亡くなっていたことが分かった。所属事務所が20日、発表した。84歳だった。所属事務所によると、佐川さんが出演する19日公開の映画「あまろっく」の公開初日を待って発表したという。故人の強い意向により、近親者のみで家族葬をすでに執り行ったという。
神戸市出身。1960年、「二人の並木径」で佐川ミツオとして歌手デビュー。「無情の夢」などをヒットさせ、デビュー2年目の61年「背広姿の渡り鳥」で「第12回NHK紅白歌合戦」に初出場した。68年発売の「今は幸せかい」は「♪おそかったのかい…」が流行語になり大ヒット、「第20回NHK紅白歌合戦」に7年ぶりに出場した。
その後、歌手の伊東ゆかりと結婚するも離婚。故郷の関西を拠点に、クラブ経営するかたわら、歌手の育成にも手腕を発揮した。
画家として個展を開いたほか、俳優としても数々のドラマに出演。特にNHK朝の連続テレビ小説では「京・ふたり」「オードリー」「だんだん」「カーネーション」「マッサン」など、数々の作品に出演。「極道の妻たち」など映画にも数多く出演した。
所属事務所によると、佐川さんは昨年、映画「あまろっく」の撮影中にも体調不良を訴えており、今年3月に入院。4月に入って容体が急変し、12日に亡くなったという。