女優の河合優実(23)、俳優の佐藤二朗(55)、稲垣吾郎(50)らが8日、都内で、映画「あんのこと」(入江悠監督、6月7日公開)の完成披露舞台挨拶を行った。
幼い頃から虐待を受けて育ち、母に言われるがまま売春を行い20歳の時には既に薬物に溺れ、売春常習犯になっていた主人公・杏が、刑事やジャーナリストとの出会いをきっかけに更生しようともがく姿を描く。
実話がベースになっているとあり、主人公を演じた河合は「実在する方のお話っていうことが自分の中で大きくて、とても強い気持ちで大切に触らないとできないと思っていた」と言い、「どこまでも真剣に誠実にやるということに徹した」と撮影中の心境を振り返った。
佐藤は「予告にもあるトンネルのシーンの前に、河合優実が突然、僕の手を握ったんですよ、『相手役の体温を感じたかった』と。後輩にこんなことさせたら絶対に良いシーンにしないといけないなっていう気にさせてくれたから感謝した」と裏話を披露。すると、河合が「あんまり言うと、皆さんがそれを思って見ちゃうから、忘れてください」と客席に呼び掛け。すかさず稲垣が「ごめん、ごめん!僕らが“不適切”だったよ」と河合が出演して話題となったドラマを引き合いに笑いをとり、場を盛り上げた。
また、物語にちなみ、自身にとっての運命を変えた出会いは?との質問では、河合は「高3の夏に(役者になると)決めて、受験勉強を辞めて、気分転換に映画を見に行った日に、(SNSの)DMに『今日映画を見に来ていた人ですか?』って連絡が来た」と告白。送り主は自主製作の映画を撮っている学生で、「その人と初めて映画を作った。ネットで声を掛けてきた人とは会わないでくださいとは言っておくんですけど、運命の出会いではあります」と話した。
稲垣は「まぁ中学2年生くらいからこの業界にいて、結局ずっとやってきたメンバー」と言い、「まぁグループは解散していますけど、草なぎさん、香取さんとはずっとやっていますから、これはすごいことだなって。30年以上ですから」としみじみしていた。