東京で中国人の人口が増加していて、足立区では10年前の2倍以上だという。

■中国人の国外移住 直近2年間だけで30万人以上

 駅の近くには、最近できたという中国料理店の看板が立ち並び、美容室やカラオケ店も中国語。路上には、10人以上の中国人グループの姿も見られる。

中国人の男性
「休みの日なので、友達で集まってご飯でも食べようって」

 東京・足立区竹の塚では中国人が急増し、“チャイナタウン化”が進んでいた。

 今年3月にオープンしたばかりの生鮮食品を扱う店をのぞいてみると、「ウォスン」と書かれた中国野菜を発見。見た目はほぼ茎だが、炒めて食べるとおいしいという。

 さらに、硬い皮を剥くと透明の果実が顔を出す中国で人気のフルーツ龍眼(りゅうがん)など、日本では馴染みのない食材が並ぶ。

MIRAKU生鮮市場 李春亮オーナー
「中国人の客が多いと思ったので、ここで店を開くことにしました。7割が中国人の客だよ」

地元住民
「うちが住んでいるマンションも(中国人は)多い」

竹の塚在住60年以上
「最近は増えた感じ。この2〜3年。なんか日本人がいなくなっちゃうような。心配になっちゃう」

 ここ数年、中国から国外に脱出する中国人が急増している。

■中国人ママチャットも多数存在 なぜ日本に?

 日本で暮らす中国人に話を聞いてみた。

竹の塚在住の中国人
「家賃が安い」
「(Q.家賃は安い?)安い、安い。7万円くらい(アパート2DK)」

 この日、行われていたのは、中国伝統舞踊のレッスン。講師も生徒もすべて中国人。SNSのコミュニティーで集まったという。

香港から移住 中国伝統舞踊の講師
「平均1グループ300人ぐらいですね。グループは7〜8つあります。すごく多い。ビザの延長とか仕事で困ることとか、ママグループチャットでみんな手伝い」

 こうした中国人ママたちのコミュニティーも多数存在する。日本で暮らしたい理由を聞くと…。

保護者
「(日本は)教育面や福祉面はすごくいいと思います。医療面でも子どもは医療費がかからないので」
「日本に住み続ける予定です。(中国は)結構、競争激しいのでストレスも結構たまりやすいし」

■“社会環境に不満”3年前に来日した人も

 一方で、意外な理由で中国を脱出した人もいる。

 中国人向けの日用品店を営む34歳の女性は、10年前に日本へ移り住み、3年前に念願だった自分のお店をオープンさせた。彼女はなぜ日本へ来たのか?

中国人向けの日用品店を経営(34)
「日本だと友達や親戚との人間関係を気にする必要がありません。結婚や子ども、嫁しゅうとめ問題などを考えなくていいのです」

 おととし、中国では婚姻数が過去最低を更新。周囲からの結婚に対するプレッシャーが強く、そうした環境が嫌で日本へ来たという。

中国人向けの日用品店を経営
「1人でいるとすごく生活しやすいです。中国に戻りたくないと思うようになりました」

 7年前に来日し、東京・江東区亀戸で「湖南料理」の店を営むチョウさん(31)。もともと中国・黒竜江省で料理店を経営していたという。

 湖南料理は、鍋を振るう湯気まで辛いという激辛中華。牛肉を大量のトウガラシと炒め、豪快にご飯の上に乗せた激辛丼は、店の人気メニューだ。

チョウさん
「友達の妹が留学で日本に来たことがあって、日本人はみな親切で街はきれいだと聞いて憧れていたの」

 チョウさんは、中国人向けのアパートも経営。そこに住む中国人の多くは、留学ビザを取り、日本語を学んだ後、日本で働きたいと考えているという。

チョウさん
「日本はお給料が高いし、礼儀があります。日本の生活が長いと、中国の生活が合わなくなるんです。日本に長期的に住みたい人が多いと感じます」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年5月1日放送分より)