名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く情報ドキュメンタリー「THE 名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週土曜午前10時30分)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回紹介する名門校は、大正4年創立の伝統私立校「成蹊小学校」。小学校をはじめ、中・高・大学・大学院までの「一貫連携教育」を行う共学校だ。
元内閣総理大臣の故・安倍晋三氏をはじめ、政治・経済・芸能など各界で活躍する著名人を輩出。また、国公立や早慶上智など難関他大学にも、例年多くの生徒が合格する一流進学校でもある。

そんな成蹊小の大きな特徴が、「学年を超えて助け合う伝統」だ。番組は、6年生が1年生とペアを組み、1年間にわたって行事や学校生活のお世話をする同校の伝統に注目。入学式から春の「ペア遠足」当日までの様子を追う。

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東京・吉祥寺駅からバスで約5分、小学校から大学院まで同じ敷地内に集まる、成蹊学園のキャンパスがある。正門を入り、緑豊かな小道を歩くと、成蹊小学校のシックな校舎が見えてくる。

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成蹊小学校は、1915年に池袋に開校し、1924年、現在の吉祥寺に移転した。男女共学で全校児童は700人。卒業生は、元内閣総理大臣から企業のトップまで、幅広く活躍している。

成蹊高等学校の2023年春の大学合格実績は、国公立29人、早慶上智81人、MARCH122人、医学部28人など、外部の難関大学にも高い合格実績を誇る。
「毎年、約3割の生徒が成蹊大学に推薦で進学します。本当に自分が行きたいところ、何を学びたいかを考えて進路を決めているので、海外の大学も含めて他大学を目指すのが主軸になっています」と、成蹊中学・高等学校教頭の横井亮先生は話す。それでは早速、校内を見ていこう! 成蹊小学校では、児童は登下校や式典では制服を着用するが、校内では、カジュアルで動きやすい校内着に着替える。

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吹き抜けの玄関を入り、渡り廊下へ進むと、中庭にそびえる大木のもとに石碑が見えてくる。

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「桃李不言下自成蹊(とうりふげん かじせいけい)」という文字が刻まれており、意味は「優れた人格を備えた人のまわりには、その人を慕って自然と人が集まってくる」。
旧尋常中学校で教師を務め、大正自由教育の旗手と呼ばれた創立者・中村春二から継承されてきた「成蹊」の由来になった言葉だ。

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こちらは、教室のある「本館」。卒業生の建築家・坂茂(ばん しげる)氏が設計し、キャンパスは2011年にグッドデザイン賞を受賞している。

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蔵書数約3万冊の図書室は、教室6部屋分の広さがあり、多目的に活用できる。明るく開放的な空間が印象的で、「毎日毎時間来ています。すごく居心地がいいです」と笑顔で話す児童も。図書室では、読書の授業が行われるほか、2階にはパソコンコーナーもある。

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グラウンドは、全力で走り回れる広々とした「ポプラグラウンド」と、遊具が並ぶ「トンネル山グラウンド」があり、大人気の遊び場になっている。

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グラウンドの奥には体育館があり、この日は運動会に向けて組体操の練習中。体育館の地下には、雨の日も水泳の授業ができる室内プールを備えている。

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続いて、伝統と新しさが融合する授業の様子を見ていこう。

成蹊小学校では、クラスの名前は東・西・南・北の4つに分けられており、小学5〜6年生になると、学級担任がそれぞれ特定の教科を受け持つ「教科担任制」を導入。授業前は、こんな習慣が。

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背筋を伸ばし、一斉に目を閉じる児童たち。心を静めてから授業に臨む「凝念」。開校時から続く、伝統の精神集中法だ。

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英語の授業が始まると「Yeah!」と、元気よく拳を高く上げる児童たち。小学校1年生からネイティブスピーカーの教師による授業が行われている。

また、成蹊大学の学生がティーチングアシスタントとして授業をサポートする制度も。年齢差がある先輩・後輩が関われるのも、一貫連携教育を行っている成蹊学園の魅力の一つだ。

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理科室では、タブレットを使い、実験の手順を動画で確認しながら学習することもできるようになっている。

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ある授業をのぞくと、児童たちが頭にバンダナを巻き、桜餅作りに挑戦中!
これは、開校当時から受け継がれている伝統の総合学習「こみち科」の一環。食べ物の栽培から調理までを行うことで、身の回りのものに関心を持ち、心を育てる授業となっている。

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「心身を鍛える。つらいことがあった時に立ち直る力、たくましい実践力を育てています」と、成蹊小学校校長・跡部清先生。成蹊小学校の卒業生が活躍している大きな理由は「心を強くする教育」、そして「学年を超えて繋がり、助け合う伝統」にある。その伝統が実践されている様子を見ていくと…。

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昼休みになると、「給食棟」と呼ばれる建物に全校児童、全員が集合!
毎日厨房室で作られる出来立ての給食を、同じ時間に一緒に食べることで、学年を超えた繋がりを生み出している。

入学式当日。2〜6年生が並んで新入生を出迎えるのも、成蹊小学校の伝統だ。新1年生に「おめでとう。成蹊小学校、楽しいよ。」と口々に声をかける上級生たちの優しい姿が心強い。

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学年を超えた絆を育む伝統はここにも。成蹊小学校では、新入生と6年生が1対1の「ペア学年」となり、1年間にわたって行事や生活のお世話をする。そうして築かれた “年齢を超えた友情”は、社会に出て大人になってからも続いていく。

このペア学年を人一倍楽しみにしていたのが、6年生の水谷柚依さん。自分が1年生の時にもらった6年生からの手紙を今も大切にしていて、すてきな思い出になっているという。ただひとつ不安なのは「弟も妹もいない自分が1年生とうまく友だちになれるか」ということ。

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そして、1年生とペアになる6年生との顔合わせの日、柚依さんがペアを組む1年生は、町田杏椰さんに。初めて会う年下の子に、何を話していいか緊張する柚依さん。1週間後には初の行事、「6年生と1年生のペア遠足」が控えている。

果たして、上手にアテンドして、杏椰さんと心を繫げることはできるのか?

番組ではこのほか、柚依さんの夢、動画を使った理科の授業、ペア学年の内容などを紹介する。

毎週土曜午前10時30分放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)をどうぞお見逃しなく!