海外で活躍する取材コーディネーターや日本大好き外国人などの海外特派員と中継をつなぎ、世界の国々を中継で旅する新感覚旅番組「有吉の世界同時中継」。「テレ東プラス」では、2月1日に放送された番組の中から「巨大施設の裏側を大調査! お札を印刷する国立印刷局に潜入」の内容を振り返る。

【動画】新幹線をつくる巨大工場に潜入

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今年の7月3日から1万円札と5千円札、1千円札の3紙幣のデザインが一新される。番組では、発行まであと5カ月に迫った新紙幣をつくる巨大な製造施設・国立印刷局の裏側を徹底取材した。全国に6つの工場を持つ国立印刷局の中でその中枢を担う東京工場(東京都北区)は、お金を扱うだけあって、セキュリティーはとても厳重。荷物検査や身分証のチェックがあるのはもちろん、職員でさえ携帯電話・スマホ、腕時計は持ち込み禁止だ。

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印刷局では現在、すべての紙幣製造が新紙幣に切り替わっている。年間で約30億枚が印刷される予定で、全部を積み上げると富士山の約80倍の高さになるほど。紙幣は、手作業による原図作成や特殊な紙の製造など、さまざまな工程を経て出来上がるが、多大な労力を使う一番の理由は偽造防止のためだ。

新紙幣はデザインが変わっただけじゃない


偽札被害はあとを経たないが、日本経済への打撃を防ぐために国も数々の工夫を重ねてきた。約20年おきに発行される新紙幣は、その度に新技術を導入。偽造を防止するとともに、実は使いやすさまで向上させている。それは今年に一新される新紙幣も例外ではない。

まず、漢数字が大きかったこれまでに対し、新紙幣は数字の方が大きくなったユニバーサルデザインを採用した。その理由を工場長に尋ねると「近年では海外からの観光客が増えている。国籍・年齢問わず、なじみのある数字を大きくした」と言う。記事画像
目の不自由な人のためなどに指で触って紙幣の種類を区別できるよう凹凸をつけた識別マークも進化。使ううちに凹凸がすり減る課題に、3種類の紙幣それぞれにマークの位置を変えることで対応した。

お札に光を当てた際、丸い部分に肖像画が浮かぶ「すかし」にも工夫を凝らす。今のお札は肖像部分にのみ透かしを使っていたが、新紙幣では肖像の背景部分にも細かい模様を描いた。透かしはとても高度な偽札防止技術だが、これほど細かいものを入れられるのは日本の技術が世界トップクラスだからだという。

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そして最大の目玉は、紙幣で世界初の3Dホログラムを採用したことだ。現在の1万円札と5千円札に採用されているホログラムは、角度を変えると3パターンの模様が浮かび上がるが、新紙幣はなんと肖像が立体的に浮かび上がり、見る角度によって回転するようにみえる。実際に渋沢栄一の肖像が動く様に、スタジオからは「すごっ!」「何これ?」など驚きの声が上がった。