名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く情報ドキュメンタリー「THE 名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週土曜午前10時30分)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

【動画】名門校にカメラが潜入!

今回紹介する名門校は、2024年度高校入試で出願者数が急増した埼玉県屈指の進学校「西武学園文理中学・高等学校(以下、西武文理)」。
高い進学実績を誇り、部活動も盛ん。文武両道の西武文理は、今、大きな変化の時を迎えている。去年赴任した校長先生が掲げた新たな教育理念により、生徒主体の学校改革が始動したのだ。そして、2024年度高校入試の出願者数が急増! 人気の秘密はどこにあるのか?

さらに番組は、学校初のプロジェクトを次々と手がける高校3年生に密着。さまざまなトラブルに見舞われながらも、仲間とともに乗り越えていく…彼の熱い青春をカメラが追った。

名門校
埼玉県狭山市。荒川の支流・入間川が流れる町に、「西武学園文理中学・高等学校」はある。
1966年、佐藤英樹先生(名誉理事)が創立した「西武栄養料理学院」に始まり、1981年に高校が、1993年に中学校が開校。
入間川沿いのキャンパスは、東京ドーム約3個分! 敷地内には中学・高校に加えて西武文理大学のキャンパスもあり、市内には附属の小学校も。小中高12年間一貫教育でトップエリートの育成に取り組んでいる。

全校生徒数は、中学校316人、高等学校1101人で、生徒の約8割がスクールバスで通学。川越駅など周辺5つの駅から運行しており、多方面から通学できる。
2024年春の大学合格者数は、早慶上理 48人、GMARCH 138人、国公立大学38人、医学部医学科26人と、高い実績を挙げている。
そんな西武文理は、2024年度の高校入試の出願者数が、前年度の約1.5倍に急増! 人気の秘密はどこにあるのか…早速、校内を見ていこう!

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まず目にとまるのは、学校のシンボルになっている熊! 熊(BEAR)には「耐える」という意味もあり、「耐えてやり遂げる」という西武文理スピリットの象徴になっている。

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校舎は小学校から大学まで、落ち着きのあるおしゃれなレンガ調でデザインを統一。高校生が学ぶ「大志館」と「希望館」、その裏に中学校の校舎「銀河館」がある。

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人工芝のグラウンドはこの春完成したばかりで、この日は、生徒たちが思う存分サッカーを楽しんでいた。

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広い図書室の蔵書数は、中学・高校合わせて約8万5000冊! 卒業生が執筆した本もずらりと並ぶ。自習にも最適で、大学受験用の赤本も完備されている。名門校
昼食は、購買で買うかお弁当を持参。購買の人気メニューは、カレーライス(440円)だ。
高校3年生に「卒業前、最後に食べたいメニューは?」と聞くと、「やっぱりカレーですかね。3年間食べてきたので」と笑顔で答えてくれた。

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クラブ活動も盛んな西武文理。取材した日は、スキー部が新入部員を勧誘していた。
部長の鈴木琉生くんは、「第4回冬季ユースオリンピック」に日本代表として出場し、「2024年全日本ジュニアスキー選手権大会」スーパー大回転 U-18で優勝した実力者だ。
ライフル射撃部も全国大会で優勝経験がある強豪で、ダンス部も全国大会で審査員賞を受賞。陸上競技部はインターハイや関東大会に出場しており、陸上競技部 顧問の金井啓子先生は、「3名の卒業生が『箱根駅伝』を走っています」と話す。

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まさに文武両道な西武文理だが、高校入試出願者が急増した秘密とは? 生徒に学校の魅力を聞くと、「校風が変わって生徒の主体性が求められるようになった。考える選択肢も広がった」「ルールが変わり、イキイキしていていい学校になっている」と教えてくれた。

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西武文理に変化をもたらしたのは、去年赴任したブラジル出身のマルケス ペドロ校長。“生徒中心の学校づくり”という大胆な教育改革を始めた。
「“生徒中心型教育”をやるために校長になった。ルールはどうやって作られるか、誰が何を持ってルールを作ったのか、ルールメイキングのプロセスも含めて勉強してもらう。“この学校は制服じゃないといけないんだ”ではなく、自分も学校のルールに意見が言える。少数派の意見を圧迫することなく、みんながOKするような学校づくり、校則づくり、これを毎年絶えずやります」(マルケス ペドロ校長)。

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その一環として生徒が動いた改革の一つが、「スマホ校則改正プロジェクト」だ。校内で使用禁止だったスマートフォンを使えるようにした。
校長先生の改革に心を動かされ、テレビ番組の撮影の誘致に取り組んだ生徒も。学校はCMやMVに活用され、生徒が出演したり収録のサポートをしたりしている。

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さらに今年度から、生徒が制服のデザインを考案するなど、さまざまな分野で新プロジェクトがスタート。生徒主体でさまざまなことにチャレンジできる“新たな校風”が人気を呼んでいる。

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「生徒主体」の取り組みは、授業にも。課題解決型学習「Project Based Learning(PBL)」は、先生が一方的に教える学習とは異なり、生徒が自ら課題を見つけて解決する力を身につける学習方法だ。

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高校2年生の探究の授業では、「LINE」や「BeReal.」など、身近なアプリの人気の秘密を調査。デジタル社会と上手に付き合うために、まずはその仕組みを自分で研究するという取り組みが行われていた。

生徒自身が課題を見つけ、解決する力を養う…それが西武文理の教育の柱となっている。

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高校3年生の池田大空くんも、初の試みを企画していた。「堅苦しい」という入学式のイメージを変えるべく、式のオープニングアクトで映像やダンスを披露し、新入生と保護者に楽しんでもらおうと考えたのだ。

大空くんが新入生向けに取り組んでいるのは、入学式の改革だけではない。探究学習において校内で高い評価を受けている彼は「第九回高校生国際シンポジウム」に参加し、数カ月かけて探究した「子どもの貧困」について発表した。
さらに、これから探究学習に取り組む新入生にその魅力と方法を教えるため、先生として課外授業を受け持つことに。果たして大空くんは、みんなに探究の楽しさを伝えられるのか。

番組では、大空くんの課外授業、「PBL」英語コミュニケーションの授業の様子なども紹介する。

毎週土曜午前10時30分放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)をどうぞお見逃しなく!