明治安田J1リーグ第2節の浦和レッズvs東京ヴェルディが3日に埼玉スタジアム2002で行われ、1-1のドローに終わった。

ペア・マティアス・ヘグモ新体制の初陣となったサンフレッチェ広島とのアウェイゲームを0-2で落として黒星発進となった浦和。今シーズンはルヴァンカップと共にリーグ優勝を最大の目標に定めるなか、開幕連敗は許されない状況。2013年以来、5万人超えとなったホーム開幕戦では昇格組相手に初勝利を狙った。なお、ヘグモ監督は開幕戦と全く同じスタメンを採用した一方、前田直輝やソルバッケンはベンチを外れた。

一方、東京Vは16年ぶりのJ1初陣となった横浜F・マリノスとの国立決戦を1-2の逆転負け。今節では同じ昇格組2チームが初白星を挙げているなか、完全アウェイの埼スタで初白星を狙った。城福浩監督は前節から先発2人を変更。サイドバックを稲見哲行、翁長聖から山越康平、深澤大輝に入れ替えた。

真っ赤に染まった埼スタで幕を開けた赤と緑の名門対決。キックオフ前の盛り上がりとは打って変わって、試合は立ち上がりから堅い展開となる。

入りこそ前から圧力をかけ合ったが、以降は中盤でコンパクトなブロックを構えて相手のビルドアップを遮断。ホームの浦和は2センターバックの持ち出しで変化を出そうとするが、相手のソリッドな守備を前にボールを効果的に前進できず。遅攻の局面では完全に攻撃が停滞してしまう。

以降も睨み合いが続くも20分過ぎにようやく決定機が訪れる。21分、右サイドでの浦和のスローインの流れから東京Vのディフェンスラインでミスが生じると、左サイドからの仕掛けでボックス左に持ち込んだ松尾佑介が左足のシュート。だが、これはGKマテウスにはじき出される。

一方、戦い自体は相手より整理されているものの、アタッキングサードで怖さを出せない東京Vも25分に決定機。森田晃樹を起点に相手ボックス付近でスクランブルを起こすと、ボックス手前右の見木友哉が右足を振る。だが、相手DFにディフレクトしたボールはゴール左へ流れた。

前半半ばから終盤にかけても中盤で潰し合う場面が目立つ。それでも、徐々にカウンターとセットプレーで押し返し始めた東京Vが先にゴールをこじ開ける。42分、続けて得たCKの連続攻撃からゴール前で混戦を作ると、相手DFのヘディングクリアに反応した木村勇大が見事な右足反転ボレーをゴール右隅に突き刺した。そして、京都から期限付き移籍加入した木村のJ1初ゴールによってアウェイチームの1点リードで前半が終了した。

迎えた後半、ビハインドを追う浦和は関根貴大と小泉佳穂の立ち位置を変更するなど微調整を施し、立ち上がりから攻勢を仕掛けていく。その流れからチアゴ・サンタナに続けてシュートシーンが訪れるが、決定機には至らず。

一方、後半も集中した入りを見せた東京Vは森田を中心にボールを落ち着かせつつ、カウンターの局面ではしっかりと人数をかけて追加点を目指す。60分には鋭いカウンターからボックス右に持ち込んだ山田楓喜の短い落としを、中央の森田が右足ダイレクトで狙うが、これは枠を捉え切れない。

苦戦が続く浦和は61分、一気に3枚替えを敢行。チアゴ・サンタナ、関根、小泉を下げて興梠慎三、岩尾憲、大畑歩夢を投入。この交代で大畑を左サイドバック、渡邊凌磨を右ウイングに配置。同時により前からボールを奪いに行く姿勢を強調。だが、相手にうまくいなされてしまって攻撃の勢いを継続できない。

後半半ばから終盤にかけて拮抗した展開が続くと、ゴールをこじ開けたい浦和は古巣初対戦となる中島翔哉を投入。これに対して逃げ切りを図る東京Vは森田、山田楓を下げて綱島悠斗、翁長と守備的な選手をピッチに送り込んだ。

その後はリスクを冒して前に出る浦和、専守防衛の構えを見せる東京Vという構図の下で白熱の攻防が繰り広げられると、ホームチームが土壇場で底力を示す。中島の左クロスのこぼれに反応した大畑がボックス内でDF山越と交錯。このプレーでPKが与えられる。そして、キッカーのアレクサンダー・ショルツが冷静に左隅へ蹴り込んで89分の同点ゴールとした。

前節、横浜FM戦と全く同じ流れとなったことで、東京Vに動揺、浦和に俄然勢いが生まれる。アディショナルタイムは6分と互いに勝ち点3を手にするための時間は十分に残されたが、開幕戦の反省を生かした東京Vが粘りの守備で逆転は許さず。

この結果、赤と緑の名門対決は痛み分けに終わり、共に初勝利を逃したものの、開幕連敗を回避する形となった。

浦和レッズ 1-1 東京ヴェルディ
【浦和】
アレクサンダー・ショルツ(後44)
【東京V】
木村勇大(前42)