東京のお隣、人口約600人の小さな村に初めてコンビニエンスストアができました。
店は無人で運営され、人口減少や高齢化が進む村の課題解決を狙っています。

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道の駅こすげの敷地内にあるこちらのコンテナ。

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雨宮恭太記者:
「こちらが村に初めてできたコンビニです。建物横にある入り口から中に入ってみますと9畳ほどの広さの店内にお土産やお菓子、カップ麺のほか冷蔵・冷凍商品が並んでいる」

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東京に隣接する山梨県小菅村に初めてできたコンビニエンスストア「スマートストアこすげ」です。

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広さ約15㎡で、飲み物やカップ麺、駄菓子、土産物のほか、乾電池やマスクといった日用品などが並んでいます。

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3月8日にオープンしたこのコンビニは、村が1200万円かけて設置し運営は村内でドローンなどを使い配送を行っているネクストデリバリーが担っています。

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ネクストデリバリー 斎藤未来 拠点統括リーダー:
「いわゆる無人コンビニ。100種類ぐらいの商品を取り揃えていてお客様にはキャッシュレスで支払いいただく」

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営業時間は午前8時から午前0時までの16時間。店員はおらず無人の営業です。

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そのため専用のアプリをスマートフォンにインストールして商品のバーコードを読み込み、ペイペイやクレジットカードなどのキャッシュレス決済で支払いをします。

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利用客は:
「利用するにあたって初めてクレジットカードを登録して、利用してみてやっぱ便利だなと思いました」
「村でも買えるところはあるが、品ぞろえも違って楽しめるなと思った」
「子供の保育園のお迎え行くのにおやつ頂戴といわれるのでそういう時にぱっと買っている。子供の急病に役立つ商品があると安心だなと思いますね」

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ネクストデリバリー 斎藤未来 拠点統括リーダー:
「意外だったのは冷凍食品。チャーハンとかすごく出たので今後も取り揃えていければいい」

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小菅村源流振興課 望月徹男 課長:
「村の中では冷凍食品を売っているところもなかなか無いから、割とニーズがあるかもしれない」

オープンから1か月余り。村は手ごたえを感じています。

でもなぜ「無人のコンビニ」を開設したのでしょうか。

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小菅村源流振興課 望月徹男 課長:
「夜間買い物するところは小菅にはないのが現状。村の中でも労働者不足が深刻になっているのでなるべく手間もかからず常勤する職員がいない形で事業が展開できないかなというところで発想があったのが無人コンビニ」

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人口は1955年の2244人をピークに先月時点では621人に減少。

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商店は現在、村に2店舗ありますが午後8時には閉まってしまいます。
このため夜間に買い物をする場合は車で片道40分ほどかけて隣接する大月市や上野原市に行かなければならないのです。

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村で72年続く商店の店主はコンビニの登場を歓迎しています。

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美勢屋 藤木忠廣 店主:
「時代だなと。営業時間を延ばすのは体力的に無理。こっちでできないのは無こうにカバーしてもらいたいね。可能性がいっぱいあるじゃん。だから期待しているよ」

歓迎の声がある一方でこんなお客さんも・・・

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この日は観光で訪れた神奈川県の70代と60代の夫婦が初めて利用しました。

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70代男性客:「インターネットに接続できません」
60代女性客:「なにがちがうんだろ?メガネが無いからわからない」

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商品はすぐに決まったもののなかなか支払いができません。

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女性:
「なんかちょっと怪しいな。スマートフォン慣れている人なら(いい)」

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Q. 慣れていないと難しい?
「そうですねちょっと・・・でもバーコードやりやすかったですよ」

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アプリの登録作業などもあり支払いが完了するまでに約10分かかりました。
 

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小菅村は人口の約半数にあたる47%が65歳以上と高齢化が進んでいるため、キャッシュレス決済へのハードルが懸念されます。

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望月課長:
「スマホが自由に使えない、まだ現金の生活をしている人たちには入り口が厳しい。今後はお年寄りに対しては丁寧に説明しながら使っていただきたいと思っている。村の買い物弱者対策ですので600人の皆様に一回でも通っていただいて、ご利用いただくというのを今後の課題として取り組んでいきたい」

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今後は24時間営業も視野にクレジットカード払いに対応したセルフレジを置くことにしています。

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望月課長:
「かゆいところに手が届くと言ったらおかしいが、あくまでも民間(商店)が大事なので、そこの補完的な位置づけで夜間にちょっと買い物がしたいとか、移住された方が外に行かなくても買い物ができるように品揃えを増やしながら(商店との)共存共営を図っていきたい」