BMWは欧州にて新世代電動SUV「ヴィジョン ノイエ・クラッセX」を世界初公開しました。どんなモデルなのでしょうか。

キドニーグリルは立体感のある彫刻的なフォルムに

 独BMWは2024年3月21日、欧州にて「Vision Neue Klosse X(ヴィジョン ノイエ・クラッセX」を世界初公開しました。

 ノイエ・クラッセとは英語で「New Class」、つまり新型車という意味です。

 1950年代に起きた経営危機を乗り切ったBMWは、それまでにラインナップになかった中型モデルの企画を始め、ノイエ・クラッセとの愛称で呼ばれた初代「BMW1500」を開発、1961年のフランクフルトショーで世界初公開され、1962年から生産を開始しました。

 このノイエ・クラッセは大ヒット、BMWの礎を築いたモデルとなりました。ノイエ・クラッセは現在の「5シリーズ」の前身です。

 2023年9月にドイツで開催されたIAAモビリティ2023において、最新デザインコンセプトモデル「Vision Neue Klass(ヴィジョン・ノイエ・クラッセ)」が世界初公開され、同年10月に東京ビッグサイトで開催されたジャパン・モビリティショー2023でも初お披露目されました。

 このモデルで未来のセダンについての明確なビジョンを示しましたが、今回登場したヴィジョン ノイエ・クラッセXは、未来のXモデル(SUV)に対するBMWとしての据え方を描いているといいます。

 フロントは、縦に並んだLEDユニットが、BMW最新のライトの特徴をさらに進化させたものになっています。またフロント中央にあるBMWの象徴「キドニーグリル」は、バックライト付きの縦型フレームになるとともに、立体感のある彫刻的なフォルムに刷新。ヘッドライトとキドニーグリルが織りなす照明は、ドライバーが近づくことによって起動、また室内も明かりが灯り、ドライバーを迎え入れます。

 リアは力強いアスリートのような印象となっています。中央部の奥まで届くリアライトは、BMW特有のL字型に、さらに水平的な要素を加えたデザインになります。

 長いホイールベースと短いオーバーハングで、BMWの典型的なプロポーションを表現。さらに大型のウインドーエリアとパノラミックガラスルーフを備え、室内へ自然光を取り入れ、温かみがあり開放的な室内空間を想像しています。

 インテリアはシートポジションがやや高めになり、ゆったりと安心感を与えます。また再設計されたマルチファンクション付ステアリングホイール、直感的なタッチ操作機能のセンターディスプレイ、BMWパノラミックビジョンが、間とクルマをつなぐ扱いやすい直感的なインターフェイスとして機能するといいます。

 ヴィジョン ノイエ・クラッセは電気自動車(EV)コンセプトカーとなりますが、最新の第6世代BMW eDriveテクノロジーを採用。良されたe-driveユニットに加え、これまでの角形バッテリーよりも体積エネルギー密度が20%向上した新しい円形リチウムイオン・バッテリーを搭載しています。

 800Vシステムに対応することで充電速度が最大30%改善、300km走行に必要な電気をわずか10分で充電可能になっています。

 BMW AG取締役会会長オリバー・ツィプセ氏は「ヴィジョン ノイエ・クラッセXは、昨年初公開したヴィジョン ノイエ・クラッセとともに今後のBMWモデル・ラインアップの幅広さを示しています。現在だけでなく将来も求められる、スポーティなセダンとその派生モデルから、モダンなSAVモデル・シリーズに至るまで、多様性を反映しています。BMWブランドを再定義する存在であることを強調すると同時に、これまで以上にBMWらしさを打ち出していきます」とコメントしています。