メルセデス・ベンツのフラッグシップ電動セダン「EQS」が欧州で大幅アップデートされました。大胆に変更されたフロントデザインに注目です。

バッテリー容量増加で航続距離が10%以上向上

 独メルセデス・ベンツAGは2024年4月11日、電気自動車(EV)セダン「EQS」をアップデート、改良新型を欧州で発表しました。

 新型EQSは、2021年4月に世界初公開された電気自動車(BEV)です。メルセデスEQ初となる、プレミアムEV用の新たなプラットフォームをもとに開発され、内燃エンジン搭載車の「Sクラス」とは大きく異なるスタイリングとなっているのが特徴です。日本でも2022年9月に発売されています。

 全長5225mm×全幅1925mm×全高1520mm、ホイールベースは3210mmというボディサイズのフラッグシップセダンで、日本においてはリアアクスルに333馬力の電動パワートレイン(eATS)」を搭載した「EQS450+」のほか、フロントとリアにeATSを備え、658馬力を発生(RACE STARTモードは最大761馬力)するメルセデスAMG初の電気自動車「EQS53 4MATIC+」を用意します。

 今回、欧州にて登場した改良新型EQSは、フロントデザインを変更。ラジエーターグリルはヘッドライトとシームレスにつながる深い黒のパネルを採用。フロントフードにはメルセデス・ベンツの象徴であるスリーポインテッドスターが直立しています。

 従来、EQSはもっとも航続距離の長いEVでしたが、今回バッテリー容量を108.4kWhから118kWhに増加したことにより、最大航続距離が向上しました。「EQS450 4MATIC」の場合、従来の717kmから799kmに航続距離が11%以上向上しています。また日本にも導入されている「EQS450+」の場合、最大822kmとなっています。

 インテリアではリアシートの快適性を向上。オプションのエグゼクティブシート付きリアコンフォートパッケージプラス(3867.60ユーロ=約63万5000円)には新たにフットレストが装備されます。さら助手席は前方に折りたたむことが可能で、後部座席の背もたれは最大38度まで調整が可能となります。
 
 このオプションにはシートヒーティングプラス、首/肩まわりのヒーティング、シートの空気圧調整も含まれます。さらにフロントシート背面には照明付きのトリムピースが組み込まれます。

 欧州においてはSAE自動運転レベル2の運転支援システムをさらに強化。80km/hから140km/hで走行している場合、2車線の高速道路での自動車線変更が可能となっています。

 改良新型EQSは、欧州市場では2024年4月25日から受注が開始されます。