「ねこが働く駅」として知られる福島県の会津鉄道・芦ノ牧温泉駅を舞台に、働くねこたちの様子を紹介する「にゃん旅鉄道」。福島中央テレビの情報番組「ゴジてれ Chu!」内で放送されている約1分間の短いコーナーながら、TVerでは4年間で総再生数170万回を突破し、なんと映画も公開された。

「にゃん旅鉄道〜さくらの物語〜」は、そんな「にゃん旅鉄道」をモチーフにした創作漫画。妹ねこの「さくら」を主人公に、猫たちの日常や実話をもとにしたエピソード、四季折々の美しい風景を、イラストレーターで漫画家のゆきよみさん(@yukiyomi333)が丁寧に描く。

今回はゆきよみさんに、漫画を描くにあたり苦労した点を聞いてみた。
はじめまして。元鉄道会社社員のゆきよみです。今はすこぶる元気なのですが、体調を崩してしまった時期があり、現実逃避をするように『絵』を描き始めました。その後もなかなか体調が戻らず、鉄道会社を退職。今はありがたいことにイラストや漫画のお仕事をいただきながら、ひっそりと生きています。

テレビ番組のミニコーナーを漫画にしてほしいと最初に聞いた時、それはもう、大喜びでした。鉄道とねこ、どちらも大好きなので!番組も知っていたのですが、詳しく見たのは連載のお話をいただいてからになります。

「にゃん旅鉄道」はファンの方がたくさんいるので、そのイメージを崩さないようにキャラクターをデザインすることが大変でした。また、柔らかい雰囲気を出すために、初めて「鉛筆」でペン入れをしています。これは編集者さんのアイデアでしたが、「完成原稿になるのだろうか?」「下書きだと思われないか?」と不安で不安で…(笑)。でも、今では挑戦して良かったなと思っています。ムチャぶりをしていただいた編集者さんには、感謝しています。皆さんに、さくらたちねこの愛らしさや、駅の優しい雰囲気が伝われば嬉しいです。

ほんわか癒やされる、誰もが安心して読める内容になっています。ねこたちはもちろんですが、美しい会津の景色も感じていただきたいです。この漫画をきっかけに会津に行ってみたい!と思っていただけたら、とても嬉しいです。

働くねこの日常や主人公さくらの成長、そして会津鉄道・芦ノ牧温泉駅の美しい四季について描く、漫画版にゃん旅鉄道。読めば心があたたかくなる優しい漫画にほっこりしてみては。

取材・文=石川知京