服の首元についていることの多い、小さなタグ。なんてことのないものから、親の大きな愛情に気づく――。オリジナルの作品をWEB上で数多く発表している御崎そら(@Sora_Misaki_)さんの創作漫画「親の心子知らず」は、8ページの中になかなか気づかない親の思いがこもった作品だ。

就職を機に半ば家出同然に実家を飛び出た後輩が、突然親から荷物を送りつけられ戸惑っているところに出くわした先輩社員。包みを指差し「お前のことが嫌いじゃないことは確かだろ」と、年長者らしくアドバイスを送るが、彼もまた荷物の中に入っていたシャツのタグを見て、自分が気づいていなかった母親の真心に気づくというストーリーだ。

X上では8000件以上のいいねとともに、「親への感謝を忘れずにいたい」「なんかくるものがあります」と感動の声が寄せられた同作。作者の御崎さんに、制作の舞台裏を訊いた。

■二つの親心の物語が重なり合った8ページ

――シャツのタグで気づく親心、というのがすごく身近ですてきなお話です。本作を描いたきっかけと、アイデアの発端についてそれぞれ教えてください。

【御崎そら】シャツのタグについてのアイディアは、実体験から得た発想です。親子愛を題材に漫画を1本描いてみたかったので、実際に親と話し合ってこのアイディアが出ました。

――8ページの漫画で構成はどんなところを意識されましたか?

【御崎そら】もともとは、後半4ページの「シャツのタグの話」だけの予定でした。後輩の「親の荷物の話」と自然につなげるために1ページ目に伏線を張ったり、と 二つの親子エピソードを自然につなげられるよう意識しました。

――読者からは「いい話」という反響が多かった作品です。ご自身としては本作への反響をどう感じていますか。

【御崎そら】「毒親だ」「親ガチャだ」と親に関して耳の痛いニュースが多いように感じるので、純粋に「親への感謝」といった題材によい反響を得られたのはとてもうれしいです。恋愛とはまた違った「愛の形」を描くのもいいものだなと思いました。

取材協力:御崎そら(@Sora_Misaki_)