洋菓子メーカーのモンテールが、2007年より毎年行っている調査の結果をまとめた報告書「スーパー・コンビニ スイーツ白書」の2024年版を発表し、説明会を実施。調査では、「スーパー・コンビニでよく買うスイーツ」の1位が「シュークリーム」との結果も出たが、これらの内容について、説明会に出席した精神科医(医学博士)で早稲田大学スポーツ科学学術院教授の西多昌規さんが詳しく解説した。

「スーパー・コンビニ スイーツ白書」は、“スーパーマーケット・コンビニエンスストアの洋生菓子”に関する意識の経年変化や、“休憩の実態とスイーツの喫食状況”などをまとめたもの。今回は、さまざまな働き方の4グループ(デスクワーカー・テレワーカー・デスクレスワーカー・専業主婦/主夫)で、「月1回以上スーパー・コンビニスイーツを購入する」20〜60代の男女(各500人、合計2000人)を対象に調査を行っている。

調査の結果を見ると、スイーツ人気ランキング(スーパー・コンビニでよく買うスイーツランキング)では、「シュークリーム」(1位)、「プリン」(2位)が17年連続でトップになっていることが判明した。また、デスクワーカー・テレワーカー・デスクレスワーカーに聞いた「仕事中に食べることができるスイーツはなにか」という問いでも、「シュークリーム」が1位に。続いて、「エクレア」や「(生どら焼きなどの)和スイーツ」が選ばれており、仕事中の休憩では「短時間で食べられる」「ワンハンド系」が好まれていることがわかった。

さらに、シーン別に「食べたいスイーツ」を聞くと、「疲れたとき」「気分を入れ替えたいとき」「集中したいとき」「気分が落ち込んだとき」「イライラしたとき」に食べたいスイーツも、すべて1位が「シュークリーム」という結果に!どんなシーンにもマッチする万能さと、多くの人の疲れや気持ちの切り替えに「シュークリーム」がひと役買っていることがうかがえた。

ちなみに、働き方が多様化してきた昨今の状況を踏まえて調査した「働き方ごとの休憩実態」の回答からは、課題も浮き彫りに。全体の約7割と、多くの人が仕事中にひと息入れるための短めの休憩を「取れている」と回答したが、その一方で、「休んでも休んだ気がしない」「効率的な休憩の取り方を知らない」(4グループで共通)との声が上がっていた。

これらの結果を見て、精神科医(医学博士)で、睡眠医学・身体運動とメンタルヘルスを専門とする早稲田大学・教授の西多昌規さんが「休憩の重要性とスイーツによる効果」について解説。

「どうして休憩のときは、甘いものが食べたくなるのでしょうか。やはり、疲労しているときは糖分がほしくなる、というシンプルな理由が考えられます。本調査でも『スイーツを食べたいと感じるとき』という質問では、全グループで『疲れたとき』が1位となり、スイーツで疲れを癒やしたい人が多いことがわかりました。糖分の摂取は、肉体的な疲労回復のために一番手っ取り早い方法。砂糖は消化吸収が早く、ブドウ糖と果糖として血液中に取り込まれ、取り込まれたブドウ糖は全身の筋肉に運ばれてエネルギー源となり、疲労回復に役立ちます」と説明した。

さらに「シュークリーム」については、「仕事の合間の休憩に食べるには、手軽で食べやすいのが一番。袋を開けてすぐに食べられる“食べやすさ”がありますし、小さい頃から食べ慣れている“安心感”も忘れてはならない要素。医学的には、クリームパンなど他のスイーツに比べて、比較的糖質量が低めであることもメリットであると考えます」と話していた。