2016年の初開催以来、例年大きな盛り上がりを見せる、世界最大級のポップカルチャーイベント「東京コミコン」。2023年5月5日〜7日の3日間、大阪では初となる「大阪コミコン2023」がインテックス大阪にて開催された。

本記事では、国内外ともに人気コンテンツである“ホラー映画”をテーマにした特別ステージ・プログラム「大阪“怖”コン」から、2023年6月16日(金)に公開の映画『忌怪島/きかいじま』ステージの様子を紹介する。

■川添「芸術作品としても美しい」。映画のキーとなる“イマジョ”の魅力
ステージに登壇したのは、MCを担当するアメコミ系ライターの杉山すぴ豊、『忌怪島/きかいじま』の監督を務める清水崇、キャストの生駒里奈、川添野愛。不気味なBGMとともに登場したが、壇上はすぐに和気あいあいとした雰囲気に。

以下が、『忌怪島/きかいじま』のあらすじ。科学と心霊を融合させた、これまでにないホラー作品となっているそうだ。

『VR研究チーム“シンセカイ”の天才脳科学者であり、非科学的なことを一切信じない片岡友彦(西畑大吾)がVR研究のためにとある島を訪れる。そこで不可解な連続死が発生。友彦は園田環(山本美月)とともに、解き放たれた女の怨念で赤く染まった島の真相を解き明かしていく。』

イベント冒頭では、杉山から南米最大のファンタ映画祭「第19回ポルトアレグレ国際ファンタスティック映画祭」にて、今作のヴィラン役である“イマジョ”(祷キララ)が最優秀悪役賞を受賞したことが報告された。イマジョについて生駒は、「ロケ中は毎日イマジョを見ていたんですけど、何回見てもしっかり怖かったです」と振り返った。川添もそれに頷きつつ、「怖いんですけど、ただ怖いだけではなくて、芸術作品としても美しいなと感じました。それが映画の強度にもなっているんだと思います」と語った。

■清水監督の前世が発覚!?撮影中に生まれた“謎のポーズ”も披露
作品では“ユタ”というシャーマンがキーワードとなっていることから、ユタの血を引く占い師・龍我がステージに登場。突如、清水の前世を占うことに。龍我は「清水監督の前世はニューギニアの原住民のリーダーと新潟あたりを支配していた戦国武将です」と言い、それに対して「虫や動物じゃなくて人間で良かった(笑)」と清水。最後に映画の成功も占い、「良い成果が出る」という結果が出て、生駒と川添も安堵の表情を見せた。

フォトセッションの時間、3人は“新世界ポーズ”というオリジナルのポーズをとる。劇中のとあるシーンから生まれたポーズらしいが、本編とはまったく関係がないのだとか。「こんなポーズが出るシーンなんてないんだけどね。『どういう意味?』って思われちゃうよ(笑)」と思わず笑ってしまう清水に、「あっちの世界、こっちの世界、新世界ってことで!」と生駒が答えた。

最後に、映画の見どころについてコメント。「作中の随所にいろんな解釈ができる“種”が撒かれていて、鑑賞後は皆さんで考察も楽しんでもらえたらと思います」(川添)、「この作品には『人間ってなんなんだろう』っていうメッセージがたくさん込められていて、見終わって残るものは怖さというよりも、『誰かを大切にしよう』とか『周りの人とどんなふうに関わっていこう』とか、いろんなことを考えさせられる作品になっています」(生駒)。

清水は「『科学がこのまま進んだらどうなるのか』という思いから、VRと脳科学と因習とを掛け合わせたホラー作品を作りました。人間と最新科学の距離を、皆さんが見てどう感じるのか。ぜひご覧ください」と締めくくった。

映画『忌怪島/きかいじま』は2023年6月16日(金)公開。ぜひ映画館で、新感覚のホラー作品を体験してみて。

取材・文=織田繭(にげば企画)
撮影=福羅広幸