一部解消に向かうも人気新車はまだまだ長期納期待ち! いま新登場車を狙うなら「とりあえず予約」が必須

この記事をまとめると

■登録車、軽自動車の2023年4月の新車販売台数が発表された

■コロナ禍前並みかそれ以上の回復を見せている

■しかし納期遅延はいまだ解消されていない

軽四輪乗用車はダイハツがトップ!

 2023年5月1日に、自販連(日本自動車販売協会連合会)より登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)より軽自動車の、2023年4月単月の新車販売台数が発表された。登録乗用車の販売台数は19万3042台(前年同期比125.8%)、軽四輪乗用車の販売台数は9万6483台(前年同期比106.3%)となった。コロナ禍前の2019年4月比でみると、登録乗用車が約96%(約83%)となっている。

 2019年4月は、同年10月からの消費税率引き上げを控え、駆け込み需要がすでに目立ってきた時期となっていた。それゆえ、よりシビアな経済感覚を持つとされる軽自動車ユーザーのほうは、すでに駆け込み需要が目立っており、それが影響して2019年4月比で約83%となっている。比較対象となる2019年4月がすでに消費税率引き上げを控えての駆け込み需要が目立ってきていたことを考えると、2023年4月だけを見ても、コロナ禍前並みかそれ以上の回復を見せているともいえよう。

 ただし間違ってはいけないのが、2023年4月の新車販売台数としても多くは4月に新規受注して新規登録(軽自動車は届け出)されたものではなく、まだまだ納期遅延傾向が続いており、受注残車両とも呼ばれるバックオーダー分を何台消化したのかという統計数字と考えていたほうが、いまどきはいいかもしれない。

 軽四輪乗用車では2022年4月にはスズキがダイハツを抑えて軽四輪乗用車販売トップだったが、2023年4月のトップはダイハツになっている。しかし定点観測している中古車展示場を見ると、ムーヴ・キャンバス、タフトをメインにかなりの数のダイハツの届け出済み未使用軽中古車が展示されている。ダイハツのウェブサイト上の工場出荷時期目処を見ると、タフトは1カ月からとなっているので、いまどきでは短納期といえるが、ムーヴ・キャンバスではストライプスで4カ月から、セオリーで3カ月からとなっているので、けっして納期が短いとはいえない。ただしアイドリングストップ非装着車は2カ月程度で出荷できるとしているので、このアイドリングストップ非装着車が未使用中古車として多く流通しているようである。

納期遅延はしばらく続きそうだ

 スズキは公式発表していないものの、調べてみるとハスラーが納期ベースで半年以上かかる以外はダイハツの軽自動車と大差がないようだが、未使用中古車の流通は定点観測地点を見る限りでは少なめとなっているように映る。そもそも、軽四輪乗用車でも販売トップを目指したいダイハツが一般ユーザーに影響が及ばない範囲で、未使用中古車を生み出すための自社届け出(使用する目的ではなく、新車にディーラー名義などでナンバープレートをつけて中古車として流通させる。おもに販売台数の上積みのため行われる)分も生産計画に含まれていたということなのだろうか。つまり、そもそも未使用中古車専業や多く扱う中古車業者へ約束していた供給台数が多かったという事なのだろうか。

 人気車も多く、深刻な納期遅延車が目立っていたトヨタの販売現場でも納期短縮というものが目立ってきたという話を聞くようになった。ただし、かなり状況は混乱しているようで、納車まで時間がかかりそうだと確認し、その旨を伝えて注文をもらった車種が数カ月で納車となるケースも目立ってきたとのこと。「納車待ち疲れ」からここへきてキャンセルが目立ってきたのではないかと事情通は分析している。

 ただし、今後も人気の高い新型車は登場してしばらく納期遅延はお約束として覚悟しなければならないだろう。そもそも平常時でも発売直後の新型車は納期遅延になりやすい。発注できればまだ良いほうで、新規受注停止もトヨタ以外でも頻発している。非常時とも呼んでいい現状では、まず登場したての人気モデルでは納期遅延は想定内と考えなければならない。新型プリウスはすでに一部グレードが2年待ちとなっているが、新規受注はまだまだものすごい勢いで入っているとのこと。トヨタ以外でも各ディーラーともに長期の納期遅延車ではキャンセルにはフレキシブルに対応してくれるようなので、とにかくいいなと思ったらまず注文を入れたほうが良さそうだ。