【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は3日、ソウル近郊・仁川の松島コンベンシアで開かれたアジア開発銀行(ADB)年次総会の開会式に出席し、祝辞で「韓国政府は包容、信頼、互恵という3大協力原則に基づき、インド太平洋地域の経済・開発協力に積極的に寄与する」と述べた。また、「韓国は半導体、2次電池、バイオなどの新産業で世界最高の生産技術と製造能力を持つ中核パートナーとして、アジア諸国との協力的な供給網(サプライチェーン)の構築に積極的に加わっていく」と表明した。

 尹大統領は、仁川とソウルをつなぐ京仁高速道路はADBの支援を受けて1968年に完成した韓国初の高速道路だと紹介し、「これを足掛かりに国際都市へと成長した仁川の松島で総会が開かれたことは大きな意味を持つ」と語った。

 続けて、デジタル格差や気候変動の問題をアジアがともに取り組むべき新たな課題に挙げ、連帯と協力を訴えた。アジア地域は豊富な鉱物資源、優れた生産・製造能力、先端技術、優秀な人材を保有する国々で構成されているとし、「域内の国同士の協力により、こうした挑戦に効果的に、十分に対応していける」と強調した。

 韓国は域内の加盟国と経済成長の経験を共有し、気候変動やデジタル格差の分野で積極的な「寄与外交」を展開すると表明した。

 ADBはアジア太平洋地域の貧困削減を目指して設立され、68カ国・地域が加盟する。総会は5日までで、新型コロナウイルスの流行以降で初の全面的な対面開催となる。加盟国・地域の財務相と中央銀行総裁ら各国の代表団、国際機関や非政府組織(NGO)、学界、金融業界、マスコミの関係者ら、計約5000人が出席する見通しだ。