【ソウル聯合ニュース】韓国政府が韓国発のドラマや映画、ゲームなどの「Kコンテンツ」の輸出基盤を強化するため2024年までに1兆ウォン(約1070億円)規模の政策金融を実施する。

 また外国人観光客を対象に付加価値税(消費税に相当)を即時還付する事後免税店での1回の購入額限度を500万ウォンから600万ウォンに引き上げる。

 2021年に124億ドル(1兆7400億円)程度だったKコンテンツ輸出額を27年には250億ドルに拡大する計画で、Kコンテンツに関連した観光・消費財の輸出誘発効果も46億6000万ドルから80億ドルに、外国人観光客は19年の1750万人から27年には3000万人まで増やす。

 文化体育観光部は5日、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相兼企画財政部長官が主宰した「サービス産業発展TF」でこのような内容を盛り込んだコンテンツ・観光分野の輸出活性化戦略を発表した。

 ◇ゲームや映画などの海外進出を強化 27年までに世界4位内目標

 コンテンツ分野では27年までにコンテンツ分野で世界のトップ4に飛躍するというビジョンを打ち出した。

 まず2021年ベースで全コンテンツ輸出額の69.6%を占めるゲームの海外進出支援を強化する。韓国コンテンツ振興院が行っている中小のゲーム制作会社向け支援事業の対象企業を37社から来年は50社に増やす。

 映像コンテンツ分野では米動画配信大手ネットフリックスとコンテンツ関連人材の交流を行い、人材養成プログラムを用意して5年で2000人の人材を育成する。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は4月の訪米でネットフリックスのテッド・サランドス共同最高経営責任者(CEO)と面会。サランドス氏は今後4年間、韓国のドラマや映画、リアリティーショーなどのKコンテンツに25億ドルを投資する方針を明らかにした。

 海外で開かれるKコンテンツエキスポを今年4回に増やし、消費者を対象としたイベントを活性化する。

 またリーディングカンパニーとスタートアップが共同で海外に進出する事業を支援する。

 5000億ウォン規模のKコンテンツファンドをはじめ、完成保証、利子支援など2024年までに計1兆ウォン規模の政策金融を提供する。

 今年下半期には韓国文学や映画、ウェブトゥーンなどの翻訳者を養成する教育課程も運営する。

 今月には違法に流通するKコンテンツを根絶するための政府の総合対策を策定する。

 ◇事後免税店を5年で千カ所増設 プレミアム出入国サービスも

 観光分野では世界の人々が「死ぬまでにやりたいことリスト」に韓国旅行を入れるようにするというビジョンを提示した。今年1〜3月期の訪韓外国人客は計171万人で、新型コロナウイルス感染拡大前の44.6%程度まで回復した。

 付加価値の高い「ラグジュアリー観光」の新たな市場を開拓し、2028年には仁川国際空港にプライベートジェット専用ターミナルを設置するほか、富裕層を対象としたプレミアム出入国サービスも提供する。

 また民間が観光商品やコンテンツを開発できるよう古宮などの使用や撮影の許可制度を改善する。これまで1カ月以上かかっていた文化財委員会の審査期間を短縮し、夜間利用時の制限を緩和する。

 利便性向上のため、外国人客の免税品の注文をホテルが代行できるようにし、公共交通機関の予約や決済のシステムを改善する。

 年内に観光宿泊業界を対象に人手に関する調査を行い、外国人労働者が同業界で働くためのビザ(査証)発給の制限緩和を検討する。

 外国人観光客が事後免税店を利用できる1回あたりの最低金額を3万ウォンから1万5000ウォンに引き下げ、1回の購入額限度を500万ウォンから600万ウォンに引き上げる。事後免税店を27年までに1000カ所増やす。

 文化体育観光部は第1次官が主宰するコンテンツ輸出対策会議を下半期から輸出協議会に拡大し、半期ごとに輸出状況を点検する。首相主宰の国家観光戦略会議も下半期に開催する予定だ。