【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)は8日、非常経済民生会議を兼ねた半導体国家戦略会議を主宰した。会議の冒頭、「半導体競争は産業戦争であり、国家総力戦」としながら「官民がワンチームで膝を突き合わせ、この挑戦課題を乗り切っていかなければならない」と呼び掛けた。

 

 尹大統領は半導体を巡る競争の激化を「一歩先も見通せない戦争」と表現し、軍事分野ではAI(人工知能)が結びついたことで半導体が安全保障の核心になりつつあるとの認識を示した。また「スマートフォン、自動車、家電製品はもちろんのこと、人工衛星、戦略兵器システムも搭載される半導体の性能に左右される。AIや量子コンピューター、バイオといった先端技術を具現化するのも全て半導体」と強調した。 

 こうした半導体競争で勝利するには「民間の革新と政府の先導型の戦略が同時に必要だ」と述べ、企業投資と有能な人材が集まるよう、政府がしっかり制度を設計しインフラを整備しなければならないと説いた。近ごろの地政学的な問題は企業が自力で解決できるものでなく、国が米国などの友好国と協力を強化する必要があるとした。

 尹大統領は「先端産業の競争力は韓国経済を支える柱で、良質の雇用創出の根源」とし、半導体の国家戦略の重要性を指摘。この日の会議では韓国が強みを持つ半導体メモリーでのリードの維持と同時に、システムLSI(大規模集積回路)育成戦略、素材・部品・装備(装置や設備)と専門人材の確保に向けた方策を討論するとした。

 大統領室は報道資料で、韓国は半導体メモリーでトップを走るものの激しい追い上げを受けていること、システムLSIでは産業基盤がまだ弱いことなどに言及した。

 会議には関係閣僚と与党執行部のほか、サムスン電子で半導体部門を統括する慶桂顕(キョン・ゲヒョン)最高経営責任者(CEO)、SKハイニックスの郭魯正(クァク・ノジョン)代表取締役ら業界関係者と専門家も出席した。