【ソウル聯合ニュース】韓国と米国が朝鮮半島防衛を目的に4日から実施してきた定例の合同軍事演習「フリーダムシールド(自由の盾、FS)」が14日、終了した。

 韓国軍合同参謀本部と韓米連合軍司令部によると、今回の演習は、脅威と安全保障状況の変化を反映した演習シナリオを土台に実施された。特に地・海・空・サイバー・宇宙資産を活用した多領域の作戦や北朝鮮の核脅威の無力化などに重点を置いた。

 13日に韓米連合軍司令部の戦時指揮所を訪れた韓国の申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官は「この演習を通じ、北の核・ミサイルネットワークを早期に無力化させる作戦遂行体系に熟達し、地・海・空・宇宙・サイバーなど全領域で敵を圧倒できるよう作戦能力を一層強化しなければならない」と強調した。

 北朝鮮の核脅威の無力化に関しては、韓米が現在詳細を詰めている作戦計画の一部分が適用された。北朝鮮による核使用の兆候の探知、核使用の抑止と防止、核攻撃時の対応などに細分化された計画のうち、核攻撃の前段階までを想定して演習を実施。核使用の抑止と防止に焦点を当てた。北朝鮮の核使用を想定した訓練は、韓米が8月に実施する合同演習「乙支フリーダムシールド(UFS)」で初めて実施することになる。

 今回は朝鮮半島有事を想定した指揮所訓練と野外機動訓練も併せて行われた。韓米が今月実施する合同野外機動訓練は計48回と、昨年3〜4月の2倍以上となる。

 オーストラリアやカナダ、フランス、英国など、国連軍司令部を構成する12カ国も今回の演習に参加した。

 一方、韓米の合同演習に神経をとがらせている北朝鮮は、4〜14日の韓米の演習期間中に弾道ミサイルを発射することはなかった。ただ、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)は6、7日に続けて朝鮮人民軍の部隊を視察し、砲撃訓練などを指導した。13日も軍の機械化部隊の訓練を指導するなど、韓米の合同演習をけん制する動きを見せた。

 また北朝鮮は5日から3日連続で、韓国側に向け全地球測位システム(GPS)電波の妨害を試みた。