【ソウル聯合ニュース】韓国のソウルで開催されている「民主主義サミット」は2日目の19日、「市民社会および青年の日」イベントが行われた。開会式には20代の脱北者、キム・イルヒョクさんが登壇し、北朝鮮の人権状況の改善に向け国際社会の協力を訴えた。 

 キムさんは、北朝鮮の憲法に人民の主権、自由意志による選挙などが記されているものの、それらが文書上の存在にすぎなかったということを韓国入りして初めて知ったと語った。北朝鮮には表現、言論、移動などの自由が存在しないと指摘し、「北の体制の実情を伝え、住民の自由と権利のための闘いに賛同してほしい」と呼び掛けた。

 2011年に家族と一緒に脱北したキムさんは、韓国入りした後、北朝鮮の人権の実態を告発し続けた。昨年8月には国連安全保障理事会の公開会合に市民社会代表として参加し、北朝鮮の人権侵害について証言した。

 開会式には米国のウズラ・ゼヤ国務次官(民間安全保障・民主主義・人権担当)も出席し、「米国は市民社会の声を沈黙させようという試みに立ち向かい、結集しようとしている」としながら、一つとなってこそ民主主義は一層強いと述べた。スパイウエア対策に関する米国主導の取り組みに韓国や日本など6カ国が賛同したことにも言及した。

 民主主義サミットは「未来世代のための民主主義」をテーマに、20日まで開催される。