【ソウル聯合ニュース】新型コロナウイルス感染症の流行で運休していた、北朝鮮北東部の羅先市とロシア極東のウラジオストクを結ぶ旅客列車の運行が再開される見通しだ。ロシア沿海地方のコジェミャコ知事が13日(現地時間)、通信アプリ「テレグラム」のチャンネルで明らかにした。

 コジェミャコ氏は、羅先市のシン・チャンイル人民委員長と会談した際に運行再開の詳細について話し合ったと説明した。シン氏を団長とする羅先市人民委員会の代表団は12日、沿海地方を訪問するために列車で出発した。

 コジェミャコ氏は今年1月にも、ロシアと北朝鮮を行き来する旅客列車の運行再開計画を現地メディアに対して明らかにしていた。

 中国・ロシアと国境を接する羅先市は経済特区を持ち、北朝鮮の中でも外国人の往来が多い地域の一つだった。

 北朝鮮の鉄道は羅先から54キロ離れたロシア・ハサン駅まで運行しており、ウラジオストクに行くためにはハサンでロシアの鉄道に乗り換えなければならない。羅先―ハサン線はコロナ禍以降、旅客・貨物列車ともに運休していたが、2022年11月に貨物列車の運行が再開された。

 米政府系メディアのボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、衛星画像大手の米プラネット・ラボが撮影した衛星写真を基に、同路線を行き来したり停車したりした貨物列車が4月の1カ月で36本に上るなど、運行回数が急増したと報じた。この中には、従来の列車に比べ2倍の長さがある700メートル以上の超大型列車もあったという。

 米政府系のラジオ自由アジア(RFA)は、列車は多くの人と資源を安価に輸送できることから、羅先とハサンをつなぐ旅客列車の運行が再開されれば多数の北朝鮮労働者が沿海地方に派遣されるだろうと伝えた。

 昨年9月のロ朝首脳会談を機に協力関係が強化され、北朝鮮がロシアに労働者を大挙派遣する可能性があるとの見方が出ていることから、韓国情報機関の国家情報院など情報当局は北朝鮮の動向を注視している。北朝鮮による海外への労働者派遣は国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁違反に当たるが、ウクライナ侵攻により労働力が不足しているロシアと北朝鮮は、軍事的・経済的理由から安保理決議に違反する動きを見せている。