女優の山本陽子(やまもと・ようこ)さんが静岡県熱海市で急性⼼不全のため20日に死去したことが22日、所属事務所から発表された。81歳。東京都出身。高校卒業後、証券会社に勤務。1963年に日活ニューフェイスに合格し、芸能界入りした。

 事務所の代表取締役で山本さんの甥にあたる⽇塔謙太郎氏の発表によると、山本さんは想定外の急死だったという。「亡くなる数時間前まで⼀緒におり、いつもと変わらぬ様⼦で帰宅の途へついた」「いまだに信じられません」などと説明した。

 4⽉開演のアガサ・クリステイー原作舞台「そして誰もいなくなった」を控え、稽古に向けて台本と向き合う⽇々だった。公演関係者への謝罪をつづるとともに「今頃本⼈は向こうで『こっちの話し⽅のほうがいいかしら?』などと役作りに励んでいることと思います。常に傍らにいた私から⾒ても最期の瞬間まで⾃由に⽣きた幸せな⼈⽣でした」と山本さんへの思いを記した。

 山本さんはNHK大河ドラマ「国盗り物語」、TBS「白い滑走路」などヒット作に出演して注目を集め、NHK銀河テレビ小説「となりの芝生」、テレビ朝日「黒革の手帖」やNHK連続テレビ小説「京、ふたり」など、多数のドラマで主演を務めた。舞台にも力を入れ、「おはん」の演技で94年に菊田一夫演劇賞を受賞。清楚な女性から悪女まで確かな演技力で幅広い役をこなし、「山本海苔店」のテレビCMにも長く出演した。

 今月2日にはテレビ朝日「徹子の部屋」に高橋英樹とともに出演して元気な姿を見せていた。

 【事務所の発表全文】

関係者各位

⽇頃からお世話になっております。突然ではございますが、令和6年2⽉20⽇、弊社所属⼥優、⼭本陽⼦が急逝しましたことをお知らせ申し上げます。

亡くなる数時間前まで⼀緒におり、いつもと変わらぬ様⼦で帰宅の途へついたので、所属事務所代表であり、家族でもある私⾃⾝いまだに信じられません。

死因は帰宅直後の急性⼼不全でした。

なお突然の出来事による対応に追われ、公式リリース前に不確定な情報がでたことで関係各所に多⼤なご迷惑をお掛けしましたことを⼼よりお詫び申し上げます。

今回このようなかたちで皆様へ突然の訃報をお知らせすることになったのは残念でなりません。4⽉公演、アガサ・クリステイー原作の舞台「そして誰もいなくなった」の稽古を間近に控え、台本と向き合う⽇々でした。やり遂げられなかったこと、共演者、公演関係者、観劇予定のお客様へご迷惑をお掛けすることになったことは⼤変申し訳なく思いますが、今頃本⼈は向こうで「こっちの話し⽅のほうがいいかしら?」などと役作りに励んでいることと思います。常に傍らにいた私から⾒ても最期の瞬間まで⾃由に⽣きた幸せな⼈⽣でした。

家族として、所属事務所代表として、これまでの皆様からのご⽀援、ご声援に⼼より感謝を申し上げます。

なお、故⼈の遺志により、葬儀は親族のみで執り⾏わせていだだきますことお赦しください。知⼈・友⼈の多い故⼈でしたが、供花、⾹典、弔電等もご辞退申し上げます。

⽇をあらためてお別れ会を企画させていただければと思います。

また、これをもって所属事務所からの公式コメントとさせていただきますので、事務所、親族、CM スポンサーへの個別取材等はお控えいただきたく存じます。

株式会社三陽企画 代表取締役 ⽇塔謙太郎

(よろず〜ニュース編集部)