「34:00」終業という地獄
3月18日放送のテレビ番組『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)内で映し出された、同番組の編集作業を行う編集室のドア横に掲示された利用時間が「10:00~34:00」になっていたことが話題を呼んでいる。
「34:00」という表記からは午前10時から翌日10時まで24時間にわたり編集作業を行っている様子がうかがえるが…。
テレビ業界では長時間労働が定着していることで知られているが、上記の「24時間ぶっ続けで編集作業」というのは業界では珍しくないのか。
「編集作業を24時間単位で行うのは業界では普通のこと」
そう語るのはテレビ制作関係者。
「週1回放送の1時間モノのレギュラー番組なら、出演者が見るVTRの編集作業に24時間。その後、スタジオ収録を行い、その素材をもとに24時間の編集作業を2~3回やるという感じ」
「編集マンは24時間でいったん作業が終わるが、ディレクターは局のプロデューサーからチェックを受けたりと他の仕事もあるため、納品まで延々と仕事が続く」
「さらに地獄になるのが特番。2~3時間モノの特番でもVTRやロケの収録が放送日の1週間前というのはザラで、放送時間が長い分、編集作業も長くなるので、1回24時間の編集作業を何回もやることになる」
キー局の地上波番組はまだいいほうで、インターネット番組やBSなんかだと制作費もスケジュールも厳しいので、より過酷になるという。
そんな過酷なテレビ制作の現場だが、変化もみられるという。
「キー局の子会社ではない小規模な制作会社であっても、相変わらず長時間労働ではあるものの、ADやディレクターの数を増やしてシフトを組んだりして、以前よりは社員に休日を取らせようとしている」
「法律や昨今の働き方改革という社会的風潮、過労死の問題などもあり、さすがに会社としても非常識な長時間労働はマズイという危機意識を持っているのだと感じる」
とはいえ、ロケとスタジオ収録をして編集をしてとなると、24時間ぶっ続けで編集作業をするといったことをやらないと放送日に間に合わないという現実もある。
テレビ界全体が「大勢のスタッフの長時間残業を前提」として成立しており、大きく変わることはないだろう、というのがテレビ制作関係者の見方だ。
以上、Business Journalからお届けしました。
編集者:いまトピ編集部