2024/6/15 14:17

タクシー、乗客を道中に置き捨てか

道路

「タクシーに道中で置き捨てされた」という衝撃的な投稿がSNSで話題になっている。

6月8日、X上に「拡散希望」として、あるタクシーを利用した客が

「行き先を伝えたら舌打ち」
「何故か違う道を走行し始めて、それを指摘したら逆上」
「挙句の果てに乗車拒否→道中に置き捨てをされた」

との投稿があった。

その投稿には当該タクシーの画像と共にタクシー会社名、運転手名も記載されていた。
詳細を聞くため、Business Journal編集部は名指しされたタクシー会社へ取材を申し込んだが、

「なぜ取材に応じなければならないのか」
「話すことは何もない」
「(SNSに投稿した)乗客とは話をしている」

として、取材は拒否された。

そこで、東京都内で営業しているタクシーの運転手に、今回のやり取りから感じることを聞いた。

「今回の投稿は、乗客側の主張しかなく、実際にどのようなやりとりがあったか不明なので、コメントは難しいです。ただ、どのような経緯があっても、舌打ちする対応はあり得ませんし、指示と違う道を走行するのは問題があります。不慣れな道であれば間違えることもありますが、それを指摘されて逆上するというのも、ドライバーとしては問題です。その後、お客を乗せ続けることを拒否していることから、かなり激しい口論になったことが予想されます」

この投稿主のことではないが、タクシー運転手と乗客のトラブルは古くから絶えずあり、その多くは乗客側の態度にあるという。

「詳細な調査データがあるわけではありませんが、トラブルの7~8割は乗客側に問題があるといわれています。いわゆるカスハラ(カスタマーハラスメント)です。私もかなりきつい言葉を浴びせられた経験が多々あります」

「たとえば、行先を聞いただけで『とりあえず早く(クルマを)出せよ』と喧嘩口調で言われたり、『お前は運転しか脳がないんだろう』『社会の底辺の仕事をしている』などと罵倒されることもあります。多くは酔っぱらっているので、聞き流すようにしていますが、無視されたと感じるのか、さらに怒る方もいますね」

会社が「カスハラ客は乗車拒否してもいい」「暴言・暴行があれば法的措置を取る」との方針を明確にしていれば、運転手は安心できるだろう。

ちなみに冒頭のSNSに投稿されたトラブルについては、解決したようだ。
続きの投稿で、「解決した」として会社側と和解したことを明らかにした。

会社側から受けた説明は、「ドラレコが動いていなかったので確認できなかった」としつつも、「ほか乗務員からの聴取で運転手にも問題がありそうだった」と、運転手側の非を認め、さらに運転手が当時飲酒していた可能性があったとして「当面は謹慎処分」にしたという。

本来、始業前に営業所で動作確認するドラレコが作動していなかったことや、無線以外の機器が作動していなかったことから、運転手が意図的に止めていた可能性も視野に入れつつ、再発防止として「営業所で全体的に指導を行った」という。

タクシーは密室。
トラブルが起こった際に事実関係を確認するには、ドラレコの映像が必須だ。
乗客にとっても運転手にとっても、タクシーはドラレコを確実に作動させておいてほしい限りである。

以上、Business Journalからお届けしました。

タクシーで道の間違え指摘→運転手に逆上され道に置き捨て…運営会社は回答拒絶 | ビジネスジャーナルタクシーで道の間違え指摘→運転手に逆上され道に置き捨て…運営会社は回答拒絶 | ビジネスジャーナル

編集者:いまトピ編集部