シャトレーゼ、無給で強制待機
菓子製造・販売の人気チェーン「シャトレーゼ」。
雇用契約を結んだ特定技能の在留資格などを持つベトナム人労働者88人を約2カ月半にわたり無給で待機させ、休業補償を支給していなかった。
山梨県の新工場の全面稼働が遅れたことが原因だというが…。
国内外に合計約1000店舗を展開するシャトレーゼ。
「チョコバッキー」「ダブルシュークリーム」「うみたて卵のふんわり厚切りロール」「北海道産バターどらやき」をはじめとする定番商品で知られ、お手頃価格のケーキや洋菓子、和菓子、アイスといったスイーツ類のほか、パン、冷凍食品、ワイン、日本酒なども扱う人気チェーンだ。
そんなシャトレーゼが、「特定技能」を持つベトナム人労働者を他社からの「転籍」というかたちで雇用し、会社側の事由で約2カ月半にわたり無給で待機させ、休業補償を支給していなかったことが発覚。
シャトレーゼはいう。
「休業手当につきましては当初より支給する方向で検討はしておりましたが、事務手続きの遅れによりこのような待機を発生させてしまいました。弊社としましては、この事態を受け、対象の方々に速やかに就業を開始いただくべく、既に順次手続を進めており、6月19日をもって対象の方々全員において、業務に従事いただく予定です。また、法令に基づき、就業を待機いただいた期間中の休業手当を速やかに支給いたします」
「今回の事態を厳粛に受け止め、外部の有識者に対し、今回の事態が発生した原因の調査及び今後の再発防止策等につき検証を依頼するとともに、同様の事態が生じないよう、全社一丸となって取組みを進めてまいる所存です」
介護業界関係者はいう。
「受け入れ企業には、特定技能の外国人労働者の住居確保や日本語習得、行政手続きなど生活面のさまざまな支援をする義務も課されており、単に人手が足りないから雇いたいという思考だけで安易にこの制度を使ってはいけない。そもそも外国人か日本人かに関係なく、雇用契約を守らなかったり給与を払わないというのは許されることではない」
「シャトレーゼが、もし相手が日本人労働者でも同じことをしたのか、『相手が外国人だから細かい雇用契約の条件や法律を知らないだろう』と考えて払わずに済ませようとしていたのだとしたら、外国人労働者の弱みにつけ込んでいたことになり、特定技能制度の悪用ということになる」
山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士はいう。
「明らかに会社都合により待機させているので(会社の都合により仕事をさせない)、本来、全額を支払わなければなりませんし、就業規則などでこのような待機期間中の給与を定めている場合はその額(60%以下にはできません)を支払わなければなりません。なお、給与の不払いは罰金刑もある違法行為です」
以上、Business Journalからお届けしました。
編集者:いまトピ編集部