2024/6/26 13:27

スタバはなぜ「セットメニュー」を売らないのか

スタバ

米国スターバックスがセットメニューの提供を開始。
コーヒーまたは紅茶とパンメニューの組み合わせで5~6ドルというものだ。

なぜセットメニューの提供を始めたのか。
また、現在セットメニューを取り扱っていない日本のスターバックスコーヒーも始める可能性はあるのか。

スタバの価格設定は強気だ。
レギュラーメニューの「ドリップ コーヒー」(Short)は380円で、ドトールの「ブレンドコーヒー」(S/250円)と比べると130円も高い。

「スタバの店舗の商品に加え、一般小売店で販売されるチルド商品も『スタバは割高』ということが消費者に受け入れられている。頻繁に投入される期間商品もスタバでしか味わえないメニューばかりで、新商品が出れば必ず買うという根強い固定客もついている。市販用のコーヒー豆やタンブラーなどの各種グッズでも手堅く稼いでおり、今のところ死角は見当たらない」(外食チェーン関係者)

日本のスタバといえば、ファストフードチェーンでは一般的なセットメニューを原則提供していない(朝の時間帯に一部のドリンク類とフードメニューの購入でドリンクが1サイズアップになる『サイズアップモーニング』は提供)。

今回、米国スタバが始めたセットメニューは、Tallサイズのコーヒーまたは紅茶(アイス/ホット)とクロワッサンのセット(5ドル:約780円)、同ドリンクと朝食用サンドイッチのセット(6ドル:約940円)の2つ。

外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一氏はいう。

「米国のスタバは売上が下降傾向ですが、特に落ち込んでいるのは客数です」

「客数が落ちている場合は値上げをすると、さらに客数が落ちて売上も落ちてしまう場合があります。それを防ぐべくセットメニューの導入には2つの目的があります」

堀部氏によると、その2つの目的とは以下だ。

(1)客数のテコ入れ(「コーヒーを飲みたい」という客に加えて「食事をとりたい」という客の来店を促すという顧客層の拡大)

(2)ついで買いの誘発で単価アップ

日本のスタバがセットメニューを扱っていない理由は何か。

「セットメニューはドリンクとフードの単品積み上げ価格より低い価格を設定しなければならず、客数が好調な日本のスタバは、そのような客単価の低下につながるような施策を行う必要がないからです」

日本のスタバがセットメニューの取り扱いを始める可能性は高くはないものの、ゼロではないかも、といったところのようだ。

以上、Business Journalからお届けしました。

スタバ、セットメニュー提供を開始、隠れた理由…売上・客数・客単価の関係 | ビジネスジャーナルスタバ、セットメニュー提供を開始、隠れた理由…売上・客数・客単価の関係 | ビジネスジャーナル

編集者:いまトピ編集部