セブンのおにぎり、「300円」時代へ
「おにぎり」の価格がじわじわ上がっている。
セブン-イレブンが、「しゃけ」の「おにぎり」を一気に50円値下げして120円台で販売を始めたという情報が話題を呼んでいるが、
「従来から販売している『味付海苔 炭火焼熟成紅しゃけ』(175円/税込189円)とは別に『手巻おにぎり しゃけ』(128円/税込138.24円)を発売した」
と、実際は同じ「しゃけ」のおにぎりで別の安い商品が販売された、というのが真相だ。
なぜ「しゃけ系おにぎり」を2種類販売するのか。
そして強気の価格の商品も積極的に投入する理由は何か。
セブンの主力商品である「おにぎり」、中でもオーソドックスな具材で購入層も広い「紅しゃけ」は税抜き価格で110~120円台ほどだった時代の印象のままの人も多いのではないだろうか。
現在では175円、税込みだと189円にまで値上がりしているのだ。
「紅しゃけ」に限らず他の「おにぎり」も高価格なものが目立つ。
「味付海苔おにぎり 熟成すじこ醤油漬け」は172.80円(税込/以下同)、直巻おむすびの「和風ツナマヨネーズ」も172.80円、「大きなおむすび厚切り豚ロースの生姜焼きマヨ」は270円、「大きなおむすび 鳥めし」は264.60円、「丸ごと半熟煮玉子おむすび」は280.80円などとなっている。
さらにセブンには、300円近く、もしくは300円を超える「おにぎり」も登場している。
たとえば、「大きなおむすび すじこ醤油漬け(鮭まぶし飯)」は356.40円、「山賊むすび」は340.20円となっている。
セブンは「紅しゃけ」の販売を継続する一方、今月には「しゃけ」を138.24円で発売。税抜は128円となっており、かつてのセブンを知る人々にとっては「昔の価格に戻った」という印象を抱くだろう。
コンビニチェーン関係者は語る。
「もともと消費者の間では紅しゃけが180円というのは高すぎるという声が多かったので、売れ筋である『しゃけ』系の商品の価格を税抜きで120円台に戻したいという意図があると考えられる」
「セブンの『おにぎり』の価格が値上がりを続けて高額になった、というイメージが先行しているが、昆布や『おかか』などの定番の具材は120円台で提供されており、安くて普通の『おにぎり』を買いたい顧客と、ちょっと高くても付加価値の高い『おにぎり』を買いたい顧客の両方をしっかりカバーしている。このあたりにセブンの戦略のしたたかさがうかがえる」
おにぎり300円時代はやってくるのか。
以上、Business Journalからお届けしました。
編集者:いまトピ編集部