「44万円」のブランドバッグ、作った人には「9200円」→ユニクロ、しまむらは・・・
Amazon世界的な高級ファッションブランド「ディオール」の約2780ドル(約44万9100円)のバッグ。
この高級バッグを作った製造業者に支払われている代金は、果たしていくらくらいなのか。
12日付「BUSINESS INSIDER」記事(報道元はロイター、ウォール・ストリート・ジャーナル)が報じたところによると、その代金はたった「57ドル(約9200円/原材料費を含まない)」であることがわかった。
また、ジョルジオ・アルマーニの1900ドル(約30万6000円)以上するバッグは製造業者に支払われている代金が99ドル(約1万6000円)だとも報じられているが…。
ディオールは日本に初めて進出した西洋のファッションブランドといわれており、ジョルジオ・アルマーニは独立系のブランドで、日本では銀座タワーをはじめ約20店舗を展開している。
そんな両ブランドが今、揺れているのだ。
ディオールの商品で製造業者に支払われる費用(原材料費除く)は販売価格のわずか2%相当、アルマーニは5%相当ということになる。
ディオールから製造を受託する業者には中国の業者もあり、労働者が施設内に寝泊まりして24時間体制で製造しているという。
アルマーニもサプライヤーの監督不行き届きで告発され、イタリアの裁判所は労働規定に違反しているとして両社の工場を1年間、司法管理下に置く措置を取ったという。
アパレル業界でトレンドリサーチやコンサル事業などを手がけるココベイ社長の磯部孝氏はいう。
「ます前提として、製造原価には原材料費、人件費、付属品、プリントや刺しゅうにかかる費用など商品の製造にかかる費用のすべてが含まれます。原価率は同じアパレルでも業態によって差があり、大まかな数字としては、ファストファッションのユニクロは43~46%、『しまむら』は65%と高めであるのに対し、ハイブランドの三陽商会は36%、オンワードは43%ほどだといわれています」
「こうした差は、売れ残りリスクの違いによるものです。『しまむら』は製造した商品はすべて売り切ってしまい売れ残りが生じないようにすることを前提にした原価率になっていると考えられます。一方、ハイブランドはブランドイメージを維持するために安易な値引き販売を避ける傾向があり、ある程度の廃棄コストを見込む必要があるため原価率が低めになります」
「ハイブランドを求める顧客は、そのブランドの商品を購入する行為、所持したり着る行為そのものにステータスや自己満足を感じるため、一等地への店舗出店や高級感のある外装、スタッフのホスピタリティ向上など商品以外のところにもコストをかける必要があり、それも価格の上昇につながります」
「日本の経済産業省も『繊維・アパレル産業における環境配慮情報開示ガイドライン』を設定し、繊維・アパレル企業に環境負荷低減の情報開示を求めており、従来のような大量廃棄を前提とするビジネスモデルも難しくなりつつあります」
高級ブランドは今、大きな変化を求められているようだ。
詳細はBusiness Journalをご覧ください。
編集者:いまトピ編集部