資生堂、「99.9%減」の危機
資生堂の2024年度1~6月期決算の純利益が前年同期比99.9%減とインパクトのある数字になったことが注目されている。
同社の純利益はここ数年、黒字と赤字を行ったり来たりと不安定な状況が続いていた。
2月には日本事業の全従業員の約1割に当たる約1500人の早期退職を募集すると発表するなど、重い空気が漂っている。
日本を代表する化粧品ブランドの資生堂が、なぜ今危機にあるのか。
「ここ1~2年の要因と、もっと長い長期的な要因の2つから資生堂は苦戦しています」
そう語るのは、経済評論家で百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏だ。
「ここ1~2年に関していえば、中国の不況が大きくマイナスに働いています。具体的には中国での高級化粧品の苦戦と、それを背景としたトラベルリテール部門の大幅減益です」
「中国本土でかつては圧倒的に人気があった『SHISEIDO』ブランドの売上が2割減で、それ以外の高級化粧品も一桁台のマイナス。トラベルリテールは日本のインバウンドは絶好調ですが、アジアの落ち込みが激しいようです。中国人旅行者の免税買い物天国として知られていた海南島が特に落ち込みが大きく、3割も売上を落としています」
「業績に関してより深刻なのは、長期的なトレンドとして売上成長ができていないことです。コロナ禍以降、売上トレンドは頭打ちで成長が止まり、経済の回復期であるにもかかわらず資生堂はいまだ2017年の売上を超えることができていません」
「背景としては不採算事業の売却や縮小に力を入れてきたことがあるのですが、事業縮小の割には利益もむしろ減少している。経営判断がうまくいっていない状況です」
総合的に見ると、資生堂にとっては非常に苦しい時期が長く続きそうだ。
以上、その他詳細はBusiness Journalをご覧ください。
編集者:いまトピ編集部