ほとんどの日本人は「スイッチの電源ON」を「真逆に覚えている」
Amazon多くの人が直感的に理解できるデザインはとても重要。
しかし国が違うと文化そのものが違うため、「全人類の共通認識」となる指標を定めるのは非常に難しい。
Sirabee編集部が独自に実施したアンケート調査によると、なんと日本人の大多数が国際的に使用されている記号の意味を「勘違いしている」と判明したのだ。
今回注目するのは「スイッチの電源ボタン」。
スイッチに使用される記号の「○」と「-」では、どちらが「オン」を指すかご存知だろうか。
10~60代の男女590名 を対象にアンケート調査を実施したところ、全体の84.7%が「○がオン」と回答。
確かに○は、「正解」や「肯定」を象徴する記号であり、プラスの印象が強いだろう。
一方の-は「マイナス」や「無し」といった意味で使用される記号だ。
これらの記号2つが並ぶと、直感的に「○=オン」「-=オフ」と区別したくなる気持ちは非常によく分かる。
…しかし、スイッチの記号は「○がオフ」が正しいのだ。
なぜ「○」がオンではないのか…。
そこで今回は件の調査結果をもとに、一般財団法人「日本規格協会」(JSA)に詳しい話を聞いてみることに。
「お探しの図記号は『IEC 60417 DB 機器・装置用図記』に含まれる『○と|』と思われます」
『IEC 60417:2024 DB』とは、電気・電子機器・装置等に表示するための図記号を収録した規格。
1973年(昭和48年)に第1版が発行された。
この第1版に収録された170余りの図記号を見るとその中には「電源ON」を意味する「|」と、「電源OFF」を意味する「○」の記号が確認できたのだ。
そして「|」に関しては、「向きに依存する」との説明が。
今回の場合、図記号「|」を横にして「-」と表示すると、「電源ON」ではない意味を表す別の図記号になるため、ONを表すには「|のまま使うように」という内容を示唆している。
では、我々が日常で目にするスイッチの「-」の記号は?
国際的な規格ではどのような意味を有しているのだろうか…?
『IEC 60417』では「-」の名称を「マイナス、負極、陰極」と定めており、「電源」に関する記載は一切見当たらなかった。
実は、我々が日常的に目にするスイッチの「-」はISO、IEC、JISにおいては誤用であり、「|」を使用するのが正しいのだ。
確かに壁についている照明のスイッチは「|」がONになっている事が多い。
今回の取材に際し、JSA担当者からは「これを機会に『○』はオフを表し、『-』ではなく『|』がオンを表すことを広めて頂きたいです」との要望が届いている。
以上、その他詳細はSirabeeをご覧ください。
編集者:いまトピ編集部