13歳娘「縮毛矯正したい」で母が炎上→実は真逆の「舞台裏」
X上で、「30秒程度のショートムービーが添えられたとあるポスト」が、一時期「イーロン・マスク氏の固定ポスト」以上のインプレッション数を叩き出していたのをご存知だろうか。
ことの発端は、株式会社CRAZY CHAMMYの代表取締役・チャーミー氏が投稿したポスト。
添えられた30秒程度のショートムービーには、「縮毛矯正について」と題したスライド資料の内容が確認できる。
「毎日私は5時に起きて髪の毛を真っ直ぐにするため、セットに2時間ほどかけています」
という縮毛矯正を受けたい理由の説明から始まり、その後も矯正を受ける精神的・経済的なメリット、クリニックの候補が順序立てて説明されている。
最後は「ご検討よろしくお願いします」と締められていた。
コメントには、
「どうしても縮毛矯正をしたい13歳の娘が、プレゼン資料をパワポで作ってきて」
「かなりしっかりめに….プレゼンテーションしてきました」
というネタばらしが。
そう、実はこちらの資料は娘さんの「縮毛矯正用の予算」をもらうためのプレゼン資料。
なお、娘さんは見事に縮毛矯正用の予算を勝ち取ったようで、
「今後、我が家では1万円を超える物や事は、プレゼン資料にまとめて出すことになりました(笑)」
と、ポストは締め括られている。
Xでは、
「めちゃくちゃ分かりやすくて、最後まで見ました。すごい!」
「家庭内でプレゼンのスキルアップもできて良いかも。子どもが大きくなったら取り入れたいです!」
「熱意が伝わる素敵なパワポ! ここまでされたら出さないわけにはいかないですね」
「ただ与えるだけでなく、自分で考えさせるの良いよね」
と、称賛の声が多数寄せられていた。
しかし一方で、一部のユーザーからは、
「娘さんが悩んでるんだから、縮毛矯正のお金くらい普通に出してあげなよ」
「親は何も言わず、お金出してほしいよ本当に」
「娘が2時間も早起きしてるの見て、今まで何も思わなかったの?」
と疑問の声が。
結果「お金の価値やプレゼンが学べる素敵な家庭」派と、「髪質は親の遺伝のせいだから黙って金出せよ」派が衝突する、地獄のようなルートに突入。
中には、見るに耐えない誹謗中傷をチャーミー氏に送りつける人物も現れ、気づけば「炎上」のような事態になってしまった。
投稿の内容を「全て」と受け取り自身の思想を加えて曲解したり、細部を確認しないまま謎の義憤にかられて他人を中傷する愚行は、Xにおいて日常風景とも言えるのだが…。
作成の経緯について、チャーミー氏はこう語ってくれた。
「(娘は)PCのスキルがとても高く、日頃から『こんなこともできるよ!』と、色々なスキルを見せてくれます」
「逆に私はPCに疎く、仕事のプレゼン資料も主にスタッフが作成するため、最終チェックが専門でした」
ある日、娘さんから「パワーポイントも使えるようになった」という報告を受け、驚いて「じゃあ何か作ってみて」とリクエストすることに。
すると、娘さんも覚えたパワポ技術で何か資料を作ってみたかったそうで、「じゃあ縮毛矯正のプレゼン資料作るね!」とノリノリな様子。
批判的な声を上げたXユーザーの中には「癖っ毛に悩む我が子が頑張って、必死でスライド資料を作った」という構図を思い浮かべた人物もいるかと思うが、真実はその逆。
まず、娘さんの「パワポで資料を作ってみたい」という思いが先にあり、そこから現在興味を抱いている「縮毛矯正」という話題をピックアップしたワケである。
なお、娘さんは自身の資料が大きなバズりを記録したことに満足しており、「私のお陰で母が万バズした」と、完全にノリノリ。
「就活する年齢になったらこのポストとインプ数をアピールする」とまで宣言。
欧米諸国と比べ、日本はプレゼンやディベートの機会に恵まれていない。
かし国際社会に順応し、生き抜くには、チャーミーさんの娘さんのように「自分の意見を筋道立てて相手に伝える」能力と、チャーミーさんのように「相手の意見を真摯な姿勢で聞く」能力が不可欠ではないだろうか。
ネット上に投稿された断片的な情報を曲解し、赤の他人に感情的な言葉を浴びせるのとは真逆の、非常に有益で実用的なスキルと言えるだろう。
以上、Sirabeeからお届けしました、
編集者:いまトピ編集部