丸亀製麺「〇〇終了」という「英断」…飲食業界の流れを「大きく変える可能性」
飲食店でモバイルオーダーを導入する動きが広まるなか、うどんチェーン「丸亀製麺」が全国600以上の店舗で導入済みのモバイルオーダーを10月末をもって終了し、注目を集めている。
丸亀製麺はその理由について「利用状況などを総合的に判断した結果」と説明しているが、多額のコストと労力をかけて導入したモバイルオーダーを、なぜ終了するのか。
丸亀製麺の店舗ではピークタイムに入口の外にまで行列ができている光景も珍しくなく、モバイルオーダーで待ち時間なしで受け取れるとなれば便利にも思えるが、なぜ終了するのだろうか。
PDFツール「AxelaNote」を開発・販売するTransRecog代表の小林敬明氏は語る。
「導入時期がコロナの真っただ中であり、3密の解消という目的もあったとみられますが、コロナが落ち着き密の解消の必要が薄らいだという背景も影響しているでしょう」
「『うどん』は作り置きができず、かつ丸亀製麺はセミセルフオーダー方式であるため、モバイルオーダーへの対応のために店員の作業プロセスが複雑化して負荷が重くなってしまった」
「要はモバイルオーダーには不向きな業態であったという理由も考えられます。それでも利用者が多ければ継続したのかもしれませんが、お客側も店舗でメニューや実物を見て選ぶという行動から抜けられず、利用者数が低迷していたのかもしれません」
「モバイルオーダーのシステムを維持するコストは小さくはないため、費用に見合うほどの一定の効果が出ていないと判断すれば終了することになります」
今回の終了の判断をどう評価すべきか。
「たとえばマクドナルドのモバイルオーダーは席に着いてからスマホで注文し、店員が商品を席まで運んでくれるというかたちで店内飲食でも利用可能なのに対し、丸亀製麺のモバイルサービスは持ち帰り限定になっていたので、やや中途半端感があり、その点の判断は評価が分かれるところでしょう」
「一方で、丸亀製麺の運営会社であるトリドールホールディングスはトライ&エラーを繰り返しながら改善を進めていくという姿勢で知られており、多額のコストと店舗従業員へのオペレーション教育を含めた大きな労力を投下して導入したサービスであっても、効果が低いと評価すればきちんと終了させるという経営判断は評価すべきです」
「飲食業界ではモバイルオーダー導入の動きが広まっていますが、今回の丸亀製麺の判断が業界全体の流れを大きく変える可能性もあるでしょう」
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編集者:いまトピ編集部