奇跡の9連休→「客層が荒れてイヤ」「キレるなら来ないで」〇〇悲鳴
「奇跡の9連休」といわれるこの年末年始。だがSNS上では、接客サービスに従事する人々から「客層が一気に荒れるしトラブルめっちゃ増えるから連休とか祝日が嫌すぎる」「明らかに仕事の流れが悪くなる」「出勤して懸命に働いていたらレジの列や対応する人がいないとキレられる」などと悲鳴が相次いでいる。実際にサービス業の現場では、そのような現象が起きるのか。また、大幅に客数が増えたり、それによってクレームやトラブルが平常時より増えるような状況になった際、接客業に従事する人は、どのようにして乗り切ればよいのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。
大手航空会社社員はいう。
「世間の人たちは正月も航空機や電車が動いているのは当たり前だと思っていますが、従業員たち側も本音では休みたいんです。特に小さな子どもがいる家族連れのなかには、混雑と子どもの世話が重なりイラついて、それを従業員にぶつける人もいますが、こちらとしては正直『そっちは休みですよね?』『自分の意志で好き好んで子ども連れて飛行機に乗ってるんだから我慢しろよ』と思っちゃいますよ」
年末年始のような大型連休には“客筋が荒れる”ということはあるのか。美容サービス業専門コンサルティングを手掛ける株式会社Bacchus Japan(バックス ジャパン)代表の橘えりこ氏はいう。
「普段はビジネス客が多いホテルなのに大半のお客さまが家族連れになったりと、客層がガラッと変わるということはよくあります。そうなるとホテル内のレストランなどでは、普段は食べ終わるとすぐに席を立つビジネスパーソンが多いところ、小さなお子さまから年配の方まで動くスピードがバラバラの方々がどっと押し寄せることになり、従業員は普段とは違う流れに対応するためバタバタしがちになります」
小売チェーン関係者はいう。
「そもそも従業員側が年末年始なのに働かなければならないということで気分がブルーになっているので、それが接客の態度に表れてしまい、お客さんの神経を逆なでしてしまうという部分はあるかもしれません。ですが、やはり小さな子どもやお年寄りの家族客が増えて混雑するというのが、荒れる要因としては大きいでしょう。ただでさえ混雑しているのに、いうことを聞かない子どもがいたりしてお父さん・お母さんがイライラするというパターンですね。『だったら来なきゃいいのに』といつも思いますが、やはり日本人は連休はどこかに行きたくなるものなのでしょうか」
できるだけ事前に準備をしてルールを決める
では、客を迎え入れる側の店舗・従業員はどのような点に注意して対応すべきなのか。
「まず重要なことは、起こり得る事態を想定して、できるだけ事前に準備をしてルールを決めたり、各スタッフの動きを極力短縮化してスムーズなオペレーションになるようにシミュレーションをしておくことです。たとえば、お客さまがイレギュラーな場所に立って待たないように『ここに並んでください』という旨をアナウンスするものを分かりやすい場所に掲示したり、並んで待っているお客さまにメニュー表をお渡しする準備を整えておくといった具合です。
お客さまがイライラする主な原因としては、待ち時間が長いこと、待つ方法が不明なこと、ずっと立った状態で待たされること、空腹や寒さを感じることなどが挙げられます。ですので、お客さまがそのような状態にならないように予め対策を講じておくということになります。
意外に重要なのが店内の雰囲気です。お客さまは店員がバタバタして回っていないという印象を受けるとイライラするので、“テキパキと動いています”感を出すことも大切です。そのためには、店長やリーダーは絶対にイライラした表情をみせず、常ににこやかにスタッフにもお客さまにも接して率先してテキパキと動く必要があります」
以上、ビジネスジャーナルから紹介しました。
編集者:いまトピ編集部