2025/1/8 15:32

美容室、山ほどあるのに「ピンチ」…「資格を持っているが働く意味がない」

髪

減少が続く理容室に対し、増加傾向にあるのが美容室。

厚生労働省「衛生行政報告例」によると、昨年4月発表の最新のデータでは、22年度の時点で26万9889店となっている。

しかし、現場では深刻な美容師不足が起きているというのだ。

「弊社サイトのスタッフ募集ページ、求人サイト経由いずれからも応募がほとんどない」
-首都圏の美容室チェーンの運営会社の採用担当・矢沢芳雄さん(仮名・50代)

「ウチも人が全然集まらない。派遣美容師の会社と契約してなんとか人手を確保している」
-千葉県内で複数の美容室を経営する佐藤大輔さん(仮名・40代)

ちなみに美容師の累計有資格者は改正理美容師法の施行(1998年)以降だと56万4364人。

ただし、20年国勢調査によると、実際に美容師として働いているのは約37.5万人。

つまり資格を持っていてもほぼ4人に1人しか働いていないことになる。

美容専門誌の編集者は指摘する。

「業界全体の労働環境の悪さが影響している」

「美容師の平均年収は379.7万円(※厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』より)。全業種の平均年収が30代前半で500万円を超えている中、圧倒的に賃金水準が低いんです」

立ち仕事でハードなうえ、若手は閉店後も技術向上のために店に残ってカット練習が慣習化。
ほとんどのサロンではサービス残業扱いとなっているとか。

「また、産休・育休制度が不十分で、両方取得できた美容師は50%弱とのデータもある。厚生労働省が公表した23年の女性全体の育休取得率84.1%に大きく見劣りします。そうしたことから妊娠・出産を機にそのまま辞めてしまうケースが多いんです」

近年はこうした労働環境も改善されつつあるが、「普通のパートでももっと稼げるところがあり、働く意味がない」と語る人も。

賃金を増やそうにもカット代などを値上げしなければならず、利用者からの反発を考えると大幅値上げは難しい。

人手不足の解消に業界の構造改革が必要だが、それを行うのも決して簡単ではないようだ。

以上、その他詳細はアサ芸ビズをご覧ください。

美容室がピンチ…有資格者は多いけど働き手がいない厳しい現実美容室がピンチ…有資格者は多いけど働き手がいない厳しい現実

編集者:いまトピ編集部