長期保存水、中身はただの水

夏は水分補給が非常に大切な季節。ところで読者諸君は「長期保存水」の中身が、じつは「ただの水」だということをご存知だろうか。sirabeeより紹介する。
今回注目したいのは、合同会社『ソナエルワークス』の代表にして、備え・防災・BCP策定アドバイザーの高荷智也氏が投稿した動画の内容。
YouTubeチャンネル「死なない防災!そなえるTV」より投稿した動画「期限切れペットボトル水は飲める?腐らない?長期備蓄水は何が違う?[そなえるTV・高荷智也]」にて、高荷氏はペットボトルの水にまつわる「誤解されがちな知識」を多数紹介している。
中でも、「未開封のペットボトル水であれば、たとえ賞味期限を8年超過していようと問題なく飲める」という事実は、多くのネットユーザーに衝撃を与えていた。
では、ペットボトル水に表記された「賞味期限」は何を指しているのだろうか。こちらの背景について、高荷氏は「品質保持の期限でなく、内容量の維持期限」と、説明している。
未開封のペットボトルであれば、外部から有機物や微生物が侵入してくることはなく、水が「腐敗」する事態は起こらない。しかし、水がペットボトルという「容器」に入っている以上、その中身は少しずつ蒸発し、量が減少していってしまう。
つまり、ペットボトル水の賞味期限は「飲めなくなる期限」ではなく、「量が減り始める期限」を指している。
こちらの事実は多くのネットユーザーを驚かせたが…さらに、当該の動画では「長期保存水」の中身が、「通常のペットボトル水と同じ」という、衝撃的な事実が明かされたのだ。
「幸せになれる壺」と並んで詐欺の定番アイテムとされるのが「健康に良い水」などという代物。実際は「ただの水道水」なのだろう。
まるでこうした詐欺商材を連想させる驚きの事実だが、たとえ中身が通常の水と同じでも、「長期保存水」にはその名前の相応しい機能性が備わっている。
こちらの正体について、高荷氏は「長期保存できるお水は、ボトルが分厚いんです」「さらに、キャップも分厚く作られています」と説明。
前出の通り、未開封のペットボトルと言えど、時が経てばその中身は徐々に蒸発、減少していってしまう。そこで、水本体でなく容器の性能を底上げし、蒸発しづらくしたのが「長期保存水」なのだ。
動画内では、保存期間が異なる長期保存水と、通常のペットボトル水(『い・ろ・は・す』)の中身を抜き、ボトルとキャップのみの重量を比較。
その結果、「15年保存水」および「10年保存水」の重量は32.9g、そして『い・ろ・は・す』の重量は16.1gと判明したのだ。
『い・ろ・は・す』ボトルは処分時に潰しやすいよう軽量化が施されているとは言え、それでも長期保存水と2倍以上もの重量差が生じているワケである。
その名に恥じない「保存力」を有した長期保存水。ぜひ家に備蓄しておいてほしい。
編集者:いまトピ編集部