エアコン「外出中のつけっぱなしは〇〇分まで」

この季節、家計の負担増加を実感しやすいのが、電力消費量の多いエアコン。「なんとか節約できないか」と考える人も少なくありません。
しかし、夏場にエアコンの使用を控えて過ごすことは熱中症のリスクを高める上、節約のつもりで行った行動がかえって逆効果になることも。
今回は、空調メーカーであるダイキン工業株式会社(以下、ダイキン)が運営する体験型ショールーム『フーハ東京』にお邪魔し、無理なく実践できるエアコンの節電方法を聞きました!
話をうかがったのは、ダイキンのコーポレートコミュニケーション室広報グループの、重政周之さん。
Q:私は普段節電のつもりで、買い物に行く際などはエアコンを切るようにしています。
節電のことを考えた時、短時間の外出の場合はエアコンを消したほうがいいでしょうか。それともつけっぱなしにしておくほうがいいのでしょうか。
A:夏の日中の場合だと30分程度の外出なら、エアコンはつけっぱなしがおすすめです。
エアコンは、スイッチを入れて室内を涼しくする時に、多くの電力を使います。その一方で、涼しくなった室温を保つための消費電力量はそれほど大きくありません。
そのため、エアコンは頻繁に入り切りしないことをおすすめします。
ただし、1時間や2時間など長く家を空ける時は、多くの場合、エアコンを切ったほうが節電につながります。
Q:ちなみに、エアコンの風量を『弱』にすると節電になるイメージがありますが、先ほどの話でいうと、設定温度に達するまでに時間がかかってしまい、逆に電気代が高くなってしまうようにも思えます。
A:おっしゃる通りで、風量『弱』だと部屋が涼しくなるまで時間がかかるので、そのぶん、圧縮機に余計な負荷がかかってしまい、かえって消費電力量が増えてしまう傾向があります。
そうした理由からも、風量は『自動』にしておくのがおすすめです。
風量『自動』は、エアコンが部屋の温度に応じて、風量を調整してくれるため、快適かつ消費電力量も抑えられます。
Q:実際のところ、除湿と冷房では、どちらのほうが節電になるのでしょうか。
A:まず除湿には主に『弱冷房除湿(ドライ)』と『再熱除湿』の2種類があります。
弱冷房除湿は、弱い冷房をかけているのに似た状態で、室温を少し下げながら除湿をしてくれるのが特徴です。再熱除湿は、室温をできるだけ下げずに除湿する方式です。弱冷房除湿は冷房運転と比べて、消費電力量に大きな差はありません。
一方で再熱除湿は、いったん冷やした空気を室温に近い温度に温め直すため、冷房や弱冷房除湿より多くの電力を消費するのです。
Q:しばらく家を留守にしていて、帰宅した時に部屋の中がサウナのように暑くなっていることがあります。エアコンをつける前に、まず換気をしたほうがよいのでしょうか。
A:エアコンは、室内の空気中の熱を屋外に追い出すことで部屋を涼しくしています。とても暑い部屋を涼しくするということは、エアコンはそれだけ多くの熱を外に排出しなければならず、圧縮機に大きな負荷がかかってしまいます。
そのため、おっしゃる通りで節電を意識するなら、あらかじめしっかり換気をして室内の熱気を逃がしてから、エアコンをつけるのが効果的です。
ただし、家の中と外の気温に大きな差がない場合や、外よりも家の中のほうが涼しく感じられる場合は、節電の観点からすると、無理に換気をする必要ありません。
『節電=何かを我慢する』という固定観念を持つ人は多いですが、エアコンに限っては快適さを犠牲にすることなく節電が可能。
もちろん、温度の感じ方は人それぞれ違うため、必ずしも今回紹介したエアコンの設定や方法がすべての人に合うわけではありません。
自分の生活スタイルに合った節電方法を見つけてみてはいかがでしょうか。
以上、詳細はgrapeをご覧ください。
編集者:いまトピ編集部