牛乳、5割弱が勘違い・・・森永乳業は「別の飲み物」と説明

今年6月、とあるXユーザーの投稿したポストが大きな話題に。
その内容は、牛乳だと思い、誤って森永乳業の『あじわい便り』を購入してしまった…というものであった。
白と青を基調とした配色に、牧場で草を食む牛のイラストが描かれたパッケージは、確かに「牛乳」を想起させるデザインをしている。sirabeeより紹介します。
しかし、こちらの『あじわい便り』パッケージには「種類別:乳飲料」の表記が確認できたのだ。
大きな話題となった当該ポストの内容を受け、Sirabee編集部では全国の10~60代の男女653名を対象としたアンケートにて「乳飲料」に関する調査を行なった。
その結果、全体の47.9%の人が「牛乳は乳飲料だと思う」と回答したことが明らかになったのだ。
なお、この回答傾向は女性より男性に顕著。性年代別の回答結果を見ると、男性は全年代で過半数が「乳飲料だと思う」と回答している。
特に若年層にこの傾向が見られ、10〜20代男性による「乳飲料だと思う」という回答割合は62.5%、30代男性は66.2%。一方、同年代の女性はそれぞれ29%、42%となっていたのだ。
じつに多くの男性が「牛乳=乳飲料」と認識しているワケだが…じつは牛乳は「乳飲料ではない」と、改めて判明している。
先述の、勘違いから『あじわい便り』を購入してしまったポストが話題になった際、同製品を販売する「森永乳業」に、牛乳と乳飲料に関する取材を行なった。
すると、森永乳業の担当者は「『牛乳(成分無調整牛乳)』は、原料は成分無調整の生乳(搾ったままのお乳)のみ。それ以外の水や他の原材料を混ぜてはならず、乳脂肪分:3.0%以上、無脂乳固形分:8.0%以上となっています」「一方で『乳飲料』とは、生乳または乳製品を主原料に、乳製品以外のものを加えたものです。たとえばビタミン、ミネラル、などを加えて栄養を強化した商品や、コーヒー、果汁などを加えて嗜好性を高めた商品などがあります。また、乳固形分(牛乳から水分を除いた成分)が3.0%以上、という決まりもあります」と、それぞれの特徴・定義の違いについて説明してくれたのだ。
このように、森永乳業では「牛乳」「乳飲料」のどちらでも、高い人気を博す商品を展開している。
それだけに、半数近くもの人が「牛乳を乳飲料と勘違いしていた」という事実を真摯に受け止めつつ、「違いを知ってもらいたい」という思いもあるようだ。
今回の結果を受け、同社の担当者は「牛乳に求められている要素はカルシウム、たんぱく質などのミルクの『栄養素』と、ミルクの『味わい』の2点となります」と、前置き。
その上で「当社の『あじわい便り』のような乳飲料も、上記2点は満たしておりますので、多くの方にとっては、牛乳も乳飲料も同じように捉えて頂けているのでは、と考えております」と、分析していた。
いち消費者としては、この分析に納得である。個人的には、スーパーの売り場で「牛乳」と「乳飲料」が同一のコーナーにまとまっている点も、誤解を誘発するひとつの原因では…とも感じていた。
森永乳業からは、「当社としても、牛乳に求められている2点を提供させて頂くことで、無調整牛乳、乳飲料の様々なラインナップを発売しております。お客様によって価格や味わい、用途などで使い分けて頂ければと考えております」とのコメントも得られている。
話題の『あじわい便り』は、ミルクの栄養とコクを手軽に、気軽に「ごくごく飲んでもらいたい」という思いから開発された商品である。
森永乳業の担当者は「乳飲料ならではの、すっきりとしながらも飲みやすい味わいで、コーヒーや紅茶、料理にも合いますので、毎日の健康にお役立て頂ければ嬉しいです」と、その魅力について語ってくれた。
頭で分かっていても、自身の身で体験しなければ、知識はなかなか身に付かないもの。牛乳を乳飲料と誤解していた人は、ぜひ一度『あじわい便り』を飲んで、「牛乳」との違いを確かめてみてほしい。
編集者:いまトピ編集部