大阪万博に「85年前の万博チケット」で…「これ使えますか?」

以前X上では、85年前の万博チケットに秘められた「驚きの効力」に、注目が集まっていたのをご存知だろうか。
「85年遅れ、祖父に代わって孫がご利用」
そうポストしたのはフリーライター・隣神さん。
添えられた写真に写っているのは、横長の回数券の写真。
なんとこちらの回数券、1940年(昭和15年)に開催予定だったが、日中戦争の影響で中止となった幻の「紀元2600年記念日本万国博覧会」入場に必要なものと判明したのだ。
85年前の万博チケットが綺麗な状態で投稿されたというだけでも驚きなのに、こちらの回数券は大阪・関西万博のチケットと交換が可能だというからさらに驚きだ。
Xユーザーからは
「ウソでしょ、これ使えるんですか!?」
「保存状態が素晴らしい」
「なんで残ってるんだ…」
「使うより、博物館に展示するべき」
と大反響。
隣神さんは説明する。
「元は祖父のもので、分かる限りでは満州に疎開する前にどこかで買ったものが残っていたようだ、というふうに存じています」
「長らく流浪した回数券を、会場に連れていってあげたかった」
しかし、寄せられたリプライの内容にもあるように「貴重な回数券を交換してしまうなんて勿体無い!」と、感じた人も少なくないだろう。
日本国際博覧会協会の担当者に話を聞いた。
「1970年(昭和45年)の大阪万国博覧会、2005年の愛・地球博では、この『幻の万博』回数入場券をお持ちの方に、招待券をお渡しするという措置が取られました。そのため2025年大阪・関西万博でも、同様の措置を導入しました」
そう、じつはこの試みは55年前から脈々(ミャクミャク)と受け継がれてきた、伝統ある措置だったのだ。
「紀元2600年記念日本万国博覧会のチケットをお持ちで、大阪・関西万博へのご来場をご希望の方は、事前に当協会へメールにてお問い合わせ頂いております」
なお、交換に必要な条件は「12枚綴りで欠票がなく、かつ過去の博覧会で招待券と引き換えた実績のない回数入場券1冊につき、大人一日券2枚のチケットIDをお渡しする」というもの。
「回数入場券は番号を控えた後、お返しいたします」
なるほど、過去の回数券が「記念品」として手元に残る、粋な計らいである。
次に日本で万博が開催される頃には、「紀元2600年記念日本万国博覧会」は100年以上前の存在となっているかもしれない。果たして、その際も「引き換え」措置は実施されるのだろうか。
以上、Sirabeeからお届けしました。
編集者:いまトピ編集部