中古マンション平均価格、ついに「1億円」突破

「中古マンションが新築に比べて安価に購入できる」
そんな常識は、もはや過去の話になりつつある。
不動産調査会社・東京カンテイが10月23日に発表した最新データによれば、2025年9月時点の東京都23区の中古マンション平均価格は、ついに1.1億円を突破。
調査開始以来、初の大台突破である。
一方で新築マンションとの価格差は、わずか約2割まで縮小しているというのだから驚きだ。
背景には、まず新築マンションの価格高騰がある。
資材費や人件費の上昇が重なり、23区内で新築マンションを建てること自体が「贅沢な事業」に。
すると「新築は高すぎて買えない」層が中古市場に流れ込む。結果として、実需に基づく買い需要が中古市場に集中し、成約件数はこの1年で6割増だ。
「以前は中古といえば“価格重視の妥協策”でしたが、今は“新築と遜色ない選択肢”と見なされる。結果的に価格も吊り上がっている」
そう語るのは、不動産仲介大手の担当者だ。
中古市場の熱気を背景に、販売事業者側の姿勢も変わった。「高くても売れる」——この確信が、価格設定の強気を後押ししている。
また、近年は供給の減少見込みと資産価値の安定性から、国内外の投資家が「都心の中古マンション」を“代替資産”として買い始めている。
特に都心部では外国人投資家の買いも目立つ。香港や台湾からの富裕層が「円安+日本の不動産安」を好機と見て、港区や渋谷区の築浅中古を現金で購入するケースが増えているという。
では、東京で働くファミリー層にとって、どのような選択が現実的なのだろうか。
不動産コンサルタントの秋田智樹氏にきいた。
(1)23区内で“ねらい目”を探す
(2)郊外に目を向け、広さと価格を両立
その上で、購入を検討する際の「3つの視点」を提示する。
1.築年数・修繕履歴を確認する
2.金利上昇リスクに備える
3.将来の売却・賃貸需要を見極める
専門家の間では、「価格の上昇ペースは鈍化するが、下落局面には入りにくい」との見方が支配的だ。
東京23区の中古マンション価格高騰は、単なる“バブル”ではなく、新築高騰・供給減少・投資流入という構造的な要因に支えられている。
今や「マンションを買う」という行為は、単なる住まいの確保ではなく、資産設計とリスク管理の意思決定になのである。
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編集者:いまトピ編集部
