2025/10/31 14:58

子供の声、迷惑?日常?法律が示す考え方に「もっと早く知りたかった」

子供

休日の朝、近所の公園やマンションの廊下などから、子供たちの笑い声や足音が聞こえてくることがあります。

微笑ましい日常のひとコマととらえる人がいる一方で、「もう少し静かにしてほしい」と感じる人もいるかもしれません。

昨今では「子供が元気に遊ぶのは当たり前」と思う保護者との間で、感じ方の違いが生まれ、近隣トラブルに発展してしまうこともあるようです。

子供の声や足音は、法律上どのように扱われているのでしょうか。

また、法的に問題になることはあるのでしょうか。

東京都にあるアトム法律事務所新宿支部の松井浩一郎弁護士にお話を聞きました。

――子供の声や足音は、法律上どのように扱われますか?

違法性が認められることは少ないと考えられます。

子供の声や足音は、通常の生活音として許容されるべきものです。

これは『受忍限度論(じゅにんげんどろん)』と呼ばれる考え方に基づいており、共同社会の中で生活していくうえでは、お互いにある程度の不快感や騒音を我慢しなくてはならない範囲がある、というものです。

子供の声や足音は、まさにこの『受忍限度』の範囲内にあたるといえるでしょう。

――『生活音』と『騒音』の境目はどこにあるのでしょうか?

明確な線引きをするのは難しいですが、判断のポイントとなるのは『受忍限度を超えているかどうか』です。

例えば、音の発生頻度や時間帯(特に夜間など)、住宅の構造や周辺の環境などが考慮され、これらを総合的に判断していくことになります。

――子供の声や足音に関してトラブルになった場合、どこに相談すればよいのでしょうか?

まずは、当事者同士で話し合い、冷静に解決を図ることが望ましいです。

それでも難しい場合は、マンションであれば管理会社、一戸建ての場合は自治会などに相談してみましょう。

さらに解決が難しいようであれば、市区町村の生活相談窓口など、公的な機関に相談するのも1つの方法です。

子供の声や足音は、原則として社会の中でお互いに受け止め合うべき生活音といえます。

それでも気になる時は、感情的にならず、冷静な話し合いや相談機関の利用を検討してみましょう。

子供が笑い、成長していく声が響く街は、人の温かさを感じられる街でもあります。

小さな気づかいを重ねながら、誰もが心地よく過ごせる環境を育てていきたいですね。

詳細はgrapeをご覧ください。

子供の声は迷惑?それとも日常? 法律が示す考え方とは【弁護士が解説】  –  grape [グレイプ]子供の声は迷惑?それとも日常? 法律が示す考え方とは【弁護士が解説】 – grape [グレイプ]

編集者:いまトピ編集部