2024/3/9 15:51

世界最強グループでも太刀打ちできない「日本の特殊な〇〇」とは…「1年も経たないうちに日本から撤退」

お金

米ゴールドマン・サックス・グループ(GS)が日本での銀行業務から撤退する。
「世界最強の金融グループ」と呼ばれるGSは、なぜ開始から1年もたたないうちに日本での銀行業務からの撤退に追い込まれたのか。

GSはなかでもM&Aアドバイザリー業務で2023年まで7年連続で世界シェア1位であり、「世界最強」と呼ばれるゆえんともなっている。

GSは「投資銀行」とカテゴライズされることが多いが、日本のメガバンクや地方銀行が手掛ける個人向け預金口座の運用や企業融資業務、決済業務など、日本で一般的に「銀行業務」と呼ばれるものは行っていなかった。

21年には日本で銀行免許を取得し、昨年からトランザクション・バンキング業務を始めるとして銀行業務に参入。

トランザクション・バンキング業務とは、口座管理、資金管理、送金、支払いなどを企業などから受託するもの。GSはグローバルでシステムを構築しており、企業は24時間365日、世界160カ国、120の通貨での送金や資金管理などが可能となる。

「銀行業務から撤退といっても、GSは個人からの預金集めや企業融資をやっていたわけではなく、国内外への送金、資金管理を企業から受託しようとしていた。ただ、日本の大手企業はこのあたりの業務はすでにメインバンクの大手銀行などに任せており、今さら外資系に乗り換える理由は少ない。一方のGSもそれほどこの新事業に力を入れていた様子はうかがえず、『試しに少しやってみたものの芽が出なそうだ』ということで早々に撤退したということでは」(外資系証券会社関係者)

「日本に限っていえば、企業とメインバンクの関係は強固であり、それまでメインバンクにお願いしていた業務を簡単に『こっちのほうが便利なので外資に切り替えますね』とはならないし、事業会社にとって送金や決済は本業ではなく事務処理の一部なので、従来通りメインバンクに丸投げしたほうがラクという面もあるだろう。こうした日本の特殊事情もGSの新規参入をはばんだのかもしれない」(メガバンク関係者)

銀行業務を取り巻く特殊な日本の状況には、「世界最強」でも太刀打ちできなかったのだ。

以上、Business Journalからお届けしました。

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編集者:いまトピ編集部