いきなりステーキ「〇〇が2倍」になってしまう…コスパ低下で客離れ「あと少し出せば食べ放題行けちゃう」
Amazon立ち食いステーキチェーン「いきなり!ステーキ」がウリだったオーダーカットを廃止し、値上げを行う。
さらに肉も国産牛肉の使用にこだわってきたが、一部メニューに使用する牛肉を豪州産のものに切り替えるという。
2013年12月に東京・銀座に1号店をオープンした「いきなり!ステーキ」は、高価格帯メニューのステーキを割安な価格、立ち食いスタイルで提供する点などが注目され、瞬く間に店舗網を拡大、一時は490店(2019年12月末)まで店舗網を拡大させた。
ブーム的な人気を博したものの、18年頃から既存店客数が前年同月比マイナスとなる月が続き、現在の店舗数はピーク時の約4割、184店舗にまで減っている(24年2月現在)。
外食業界で値上げが進むなか、「いきなり!ステーキ」もここ数年は相次いで値上げを行ってきた。
13年のオープン当初の価格と比べると、たとえば「リブロースステーキ」300gは税抜き換算で1500円だったが、現在では3273円と約2.2倍に。
「ヒレステーキ」300gは2400円だったが、現在では4209円と約1.8倍になっている。
外食チェーン関係者はいう。
「『いきなり!ステーキ』はオープン当初『安くステーキを食べられる』という評判が広まってブームとなったが、当時の客単価は2000円ほどとみられ、実はそれほど安くはなかった。実質賃金の値下がりで消費者のコスパ意識がより強まるなかで、『立ち食い・ファストフード形態の店で一食2000円というのはちょっと高いよね』ということで客離れが生じた。」
「実際にコスパという面では優位性があるとはいいがたい。たとえば『ワイルドステーキ』150gに450円の『いきなりセット』(ライス・サラダ・スープ)をつけると1840円となるが、プラス約900円出せば『焼肉きんぐ』で牛・豚・鶏の焼肉に海鮮、野菜、デザートもついた食べ放題をゆっくりと楽しむことができる」
「『いきなり!ステーキ』単体では不採算店舗の閉店やマイレージアプリの改定、メニュー改定など地道な取り組みが功を奏して8億円以上の利益が出ている。多少高くても“さっと”ステーキを食べたいという客は一定数いるだろうから、今回の値上げで客離れが起きなければ、経営的にはひとまず落ち着くかもしれない」
以上、Business Journalからお届けしました。
編集者:いまトピ編集部