2024/4/30 09:41

異常事態『番組』際立って多い「かなり重宝されてる」

テレビ

ひな壇トーク、日本礼賛、街ブラなど、テレビ界には常に流行があるが、ここ最近、際立って多いのがグルメ番組である。

2021年にスタートした『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(日本テレビ系)は、今や視聴率ランキングの上位常連だが、この4月からもキー局で『世界頂グルメ』(日本テレビ系)、『街グルメをマジ探索!かまいまち』(フジテレビ系)と、新たに2つのグルメ番組がスタートした。

他ジャンルの番組をどんどんつぶし、着実に勢力図を拡大しているグルメ番組。とりわけ日本テレビは、その傾向が強い。

「日テレはこれまで、火曜に『オモウマい店』、木曜に『ぐるナイ』、土曜に『満天☆青空レストラン』と、ゴールデンは食べ物だらけでしたが、水曜に『頂グルメ』が加わり、“全曜日コンプリート”は間近。この他、『有吉ゼミ』、『秘密のケンミンSHOW極』や『沸騰ワード10』も半分ぐらいはグルメですし、『ザ!鉄腕!DASH!!』も料理企画は多いですから、これは偶然でなく“確信犯”でしょう」(同上)

 もっとも、グルメ番組に頼るのは日本テレビだけではない。テレビ欄を眺めれば、『バナナマンのせっかくグルメ!!』『ベスコングルメ』(TBS系)、『朝めしまで。』(テレビ朝日系)、『タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって!』(テレビ東京系)など、グルメ番組はめじろ押し。『坂上&指原のつぶれない店』『マツコの知らない世界』(TBS系)、『帰れマンデー見っけ隊!!』(テレビ朝日系)なども、グルメを扱ったり、食事をするシーンは多い。

背景にはテレビ業界が抱える切実な事情がある。

「使い古された表現ですが、昨今はテレビ離れが激しく、若者は本当にテレビを見ない。あらゆる番組が散々な視聴率で討ち死するなかで、グルメ番組は“まだマシ”なので、いきおいグルメものに流れる結果になります。グルメであれば視聴者は老若男女を問いませんし、画面が映えるのでチャンネルを変える手も止まりやすい。YouTubeやTikTokに慣れた若者は長時間動画に耐えられませんが、グルメならじっとテレビを見続ける必要もありませんしね。他にも理由はあります。VTRを中心に進行すれば、スタジオは簡単なセットで良く、タレントも少なくて済むので、制作費は安く収まります。飲食店にアポを取って、タレントを使わずにスタッフがロケをして、ナレーションやテロップなどで進めれば、驚くほど低予算で番組が作れます。また、グルメなら炎上リスクも少ないことも、グルメ番組が重宝される一因でしょう」(民放バラエティ番組制作関係者)

食欲を刺激するような映像は魅力的だが、あまりに多いと“お腹いっぱい”になるのは実際の食事と同じ。新たに始まった2つのグルメ番組の成否は、今後のテレビ業界を占う指針となりそうだ。と日刊サイゾーは報じた。

「グルメ」に命運を託すテレビ界、日テレのゴールデンは“食べ物だらけ”の異常事態|日刊サイゾー 「グルメ」に命運を託すテレビ界、日テレのゴールデンは“食べ物だらけ”の異常事態|日刊サイゾー

編集者:いまトピ編集部