2024/8/28 10:44

『10月期ドラマ』1年半ぶり「期待と懸念」かつては花形ドラマ枠だった

テレビ

かつての花形ドラマ枠だったフジテレビ月9の凋落がささやかれて久しい。最後に平均視聴率(ビデオリサーチ調べ)が10%を超えたのは2022年1月期の『ミステリと言う勿れ』が最後。以降、今年4月期の『366日』まで9作連続で1ケタを記録しており、今期の『海のはじまり』も評価こそ高いものの、数字は5~7%前後を行き来している。

 そんな中、発表された今年10月期の新作は『嘘解きレトリック』。同作は12年から18年まで「別冊花とゆめ」で連載されていた同名コミックが原作となり、鈴鹿央士と松本穂香が「やたら鋭い観察眼を持つ借金まみれの貧乏探偵」と「ウソを聞き分ける奇妙な能力者」を演じる探偵ミステリー活劇。鈴鹿、松本とも月9ドラマには初出演となる。

月9枠で、いわゆる“原作モノ”のドラマが放送されるのは、長岡弘樹の『教場』(小学館)シリーズを原作とした23年4月期の『風間公親-教場0-』以来、6作ぶり。主演に木村拓哉、脚本に『踊る大捜査線』シリーズの君塚良一という万全の布陣だったが、全話平均視聴率は9.8%とわずかに2ケタに届かなかった。

昨今、視聴者の「コミック原作ドラマ」に対する視線は、ひと昔前とは比較にならないほど厳しくなっているのだ。

昨年10月、日本テレビ系で木南晴夏主演で放送された『セクシー田中さん』が原作者の意向を無視し、大幅にストーリーを改変した形で制作されたことでトラブルが発覚。SNS上での騒動を機に、原作者の芦原妃名子氏が急死し、自宅から遺書が見つかったことがあった。

この騒動を経て、以前からくすぶっていた日本のドラマ界の「原作軽視」の姿勢が改めてクローズアップされ、以降、原作モノのドラマには視聴者からより厳しい視線が送られることになった。

『セクシー田中さん』以降にも、今年4月期の『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)では放送中に原作者のメーブ氏が演出に苦言を呈して話題になるなど、人気コミックのドラマ化にはより慎重にならざるを得ない状況となっているのだ。

『嘘解きレトリック』の演出に名を連ねるのは、西谷弘、永山耕三、鈴木雅之というフジテレビのドラマの歴史そのものといっていいビッグネーム3人。少なくとも、この座組からフジテレビの本気度は痛いほど伝わってくる。

 果たして、『嘘解きレトリック』はどんなドラマになるのだろうか。と日刊サイゾーは報じた。

フジテレビ月9『嘘解きレトリック』1年半ぶりの“原作モノ”にかかる期待と懸念|日刊サイゾー フジテレビ月9『嘘解きレトリック』1年半ぶりの“原作モノ”にかかる期待と懸念|日刊サイゾー

編集者:いまトピ編集部