NHK、ネット受信契約案に困惑の声「取り消しは不可」「まるでワンクリック詐欺」
AmazonNHKは先日開いたメディア説明会で、インターネット配信のみでの受信契約についてイメージ仮案を発表。ウェブブラウザやアプリに「ご利用動向の確認」メッセージが表示され、同意ボタンを押した人を受信契約の対象にする予定だと公表した。これに対して、ネット上では「まるでワンクリック詐欺のよう」「子どもが間違って押したらどうするの」などと批判や困惑の声が相次いでいる。
NHKの番組のネット配信については、2025年10月から「放送番組の同時配信」「放送番組の見逃し(聴き逃し)配信」などが必須業務化され、それに伴ってテレビがなくスマートフォンやPCなどしか持っていない人とも受信契約を結べるようになる。受信料については、地上契約と同額の月額1100円に設定すると発表されている。
NHKのネット配信をめぐっては、かねてから「スマホやPCを持っているだけで受信料を徴収されるのでは」と危惧する声があった。NHKは再三にわたって「そのようなことはない」と否定してきたのだが、その具体的方策が説明会で発表され、物議を醸している。
NHKは「誤受信防止措置」として、サービス利用の前段でウェブブラウザやアプリに「ご利用動向の確認」のメッセージを表示する案を提示。「NHKのニュース・番組などの全コンテンツを受信・視聴するにあたっては放送受信契約が必要になります」といった案内を読んだ後に「同意して利用する」のボタンをクリックもしくはタップした人を「受信契約の対象者」にする予定だ。このボタン操作は一度押すと取り消しはできないという。
ボタン操作をした段階でNHKのコンテンツが閲覧できるようになるが、当然ながら視聴開始後にアカウント(会員)登録や契約確認が必要になる。一定期間が過ぎても登録などの必要なアクションがない場合は映像にマスクをかける形で契約を促し、タダ乗りを抑止する。それでも視聴者が必要なアクションを取らない場合の対応は現在検討中としているが、現行の地上契約と同じく「割増金の考え方は変わらない」という。
地上契約では、「正当な理由がなく期限までに受信契約の申込みをしなかった場合、受信機設置の月の翌月から受信契約を締結した月の前月までの受信料に加え、その受信料の2倍に相当する額の割増金を支払う必要がある」とされており、これがネット契約でも適用される可能性が高いようだ。
これを受けて、ネット上では以下のような批判的な声が多く飛び交っている。
「この契約方法って、ワンクリック詐欺となにが違うの?」
「アプリを入れなければいいだけかと思っていたが、ブラウザ上でもやるとなれば、例えば誤ってURLを踏んでNHKサイトに移動後、そこで表示される警告をクリックしてしまうと契約同意になるわけでしょ?怖すぎないかこれ?」
「罠みたいな仕組みですね。普通に契約完了後に視聴可にすればいいのに、なぜこんな仕組みにする必要があるのでしょうか」
あくまで今回発表されたのはイメージ仮案で、今後さらにアイデアを練っていくのだろうが、多くの視聴者は不安を抱いたようだ。
受信料収入は年々減少しており、今後も右肩下がりが確実視されている。NHKの経営が厳しくなっていくとなれば、ある程度はネット契約について視聴者からの理解も得られそうだが、異を唱える声もある。
9日付の「デイリー新潮」(新潮社)は「NHKは資産運用で経営は盤石」と分析し、同誌は「24年3月期の連結総資産は1兆4495億円で、この15年で約5000億円も増加」「直近の内部留保も、連結では子会社を含めて5113億円で6年前の1.4倍」と指摘。職員の平均年収は1094万円とされている。
NHKがこれだけ「儲けている」となると、早くも「ワンクリック詐欺のようだ」と騒がれているネット契約の具体的な施策がどのように決まるかによって、視聴者の不満が一気に爆発する可能性もありそうだ、と日刊サイゾーが報じている。
編集者:いまトピ編集部