『ドラマ』月9らしからぬ作品「次回以降も楽しみ」
Amazon人のウソを聞き分けることができる特殊能力を持つ鹿乃子(松本穂香)と貧乏探偵・左右馬(鈴鹿央士)がコンビを組んで事件を解決していく1話完結型のミステリー『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)も第2話。
昭和初期の街並みを再現したセットとレトロな雰囲気で月9らしからぬ、ほのぼの路線ですが、原作コミックの再現度も高く、なかなか良い感じです。
このドラマにおいて、「鹿乃子がウソを聞き分けられる」という能力については疑いなく“ホンモノ”ということになっています。鹿乃子の目の前でウソをついた人間にはエフェクトがかかるので、鹿乃子はその能力による判断についてウソをつけない。そういう設定です。
耕吉が言う「千代が誘拐された」「千代は劇場にいない」という証言はウソ。視聴者にはとりあえず、その情報だけが与えられるわけです。
かの『警部補・古畑任三郎』(フジテレビ系)で有名になった“倒叙型”というミステリーのスタイルがあります。ドラマの冒頭で犯人が殺人事件を起こす場面を見せてしまい、犯人を明かした上でその方法や動機を後から明かしていくことでドラマにしていくスタイルです。
この『嘘解きレトリック』の今回の事件は、犯人が誰だかはわからない。何が起こったのかもわからない。ただし、耕吉がウソをついていることだけはわかるという、謎を半分残した“半・倒叙型”とでも呼ぶべきスタイルが採用されています。
前回は事前に事件の発生を防ぐことに使われた鹿乃子の能力でしたが、今回は解決の発端として作用しています。
原作はドラマを追いかける形でちょっとずつ読んでいるんですが、もしかしたら鹿乃子の「ウソを聞き分ける」という能力を、いろんなミステリーのパターンに差し込むことでオリジナリティを出していく感じになるのかな。今のところ、ほのぼの空気感で中和されてますけど、事件と推理を構築するトリックメーカーとしてもけっこう凝ったことをやっているので、次回以降も楽しみです。こういうふうに軽い感じで深いことをやってるドラマってカッコいいんだよな。と日刊サイゾーは報じた。
編集者:いまトピ編集部